「自由視中のスキャンモードの時間的変化」に関する論文が出ました

科学技術振興機構と大阪大学の支援を受けて行っていたドイツ、チリの研究チームとの国際共同研究の成果が論文となりました。論文はこちらから。https://www.nature.com/articles/s41598-017-01076-w

Ito J, Yamane Y, Suzuki M, Maldonado P, Fujita I, Tamura H, Grün S (2017) Switch from ambient to focal processing mode explains the dynamics of free viewing eye movements. Sci Rep. 7: 1082. doi: 10.1038/s41598-017-01076-w>

絵や景色をじっと眺めているようなときでも、私たちの目は1秒間に3〜4回、ピョンピョンと動き回っています。この動きはサッケードと呼ばれます。視力は注視しているところだけが高く、それ以外のところはろくに見えていないので、どこに目を動かして、次の注視を行うかは、視野を効率よくサンプルする上で重要です。多くの要素が次の注視点を決めており、そのメカニズムの全容は今もって不明です。今回、ドイツのユーリッヒ研究所のJunji Itoさん、Sonja Gruenさん、チリのPedro Maldonadoさんらと、山根ゆか子さん、鈴木実佳さん、田村弘さんら私たちの研究グループは、サルが複雑な自然状景を見ているときに、最初は、大きなサッケードをしながら状景の中の異なる物体を見てまわり(global scan)、あるところで、関心を持った物体の中で小さなサッケードを繰り返して詳しく見て回るモード(local scan)へとスイッチすることを行動観察により定量的に示しました。驚くべきことに、5秒間の自由視課題の間に、このスイッチがたった一度だけ起こるという仮定のもとで行ったモデルシミュレーションが実験結果を定量的に説明しました。