大阪大学大学院 生命機能研究科 認知脳科学研究室 生物学、脳研究、脳と心、意識、認知脳科学、神経科学、行動学、視覚、錯覚、脳の発達
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お知らせ

日付 内容
2016/09/20新サイトに移行しました。
こちらをご覧ください。
2016/09/16


◆ 国際ワークショップVision over vision: man, monkey, machine and network models を開催します。
こちらのウエブサイトをご覧になってください。

公開シンポジウムでは、工学、理論、生理学、心理学など、様々な専門分野の先生方をお招きし、新しい視点、枠組みから視覚情報処理について議論します。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。

参加される方はウェブサイトから参加登録をお願いしています。
https://sites.google.com/site/visionvisionworkshop/home/registration

日程:10月4日(火曜)(公開シンポジウム)
場所:大阪大学吹田キャンパス内、脳情報通信融合研究センター(CiNet) 1F大会議室
講演者:
  Amos Arieli (Weizmann Institute of Science, Dept of Neurobiology, Rehovot, Israel)
  Stephen A. Baccus (Stanford Univ School of Medicine, Dept of Neurobiology, Stanford, USA)
  Giuseppe Boccignone (Univ of Milano, Dept of Computer Science, Milano, Italy)
  Tomoki Fukai (RIKEN Brain Science Institute, Wako-Shi, Japan)
  Pedro E. Maldonado (Univ of Chile, Biomedical Neuroscience Institute and Memory Neuroscience Center, Santiago, Chile)
  Isamu Motoyoshi (Univ of Tokyo, Graduate School of Arts and Sciences, Tokyo, Japan)
  Shinji Nishimoto (Center for Information and Neural Networks, Osaka Univ, Osaka, Japan)
  Bertram E. Shi (Hong Kong Univ for Science and Technolgy, Dept of Electronic and Computer Engineering, Hong Kong)
  Sonja Grün (Jülich Research Center, Germany)


世話人:山根 ゆか子(大阪大学大学院生命機能研究科)yukako@bpe.es.osaka-u.ac.jp
2016/07/28◆ 梅田の蔦屋書店にて、本の案内人(コンシェルジュ)の方と行うトークショー、コンシェルジュカフェで話をします。おしゃれな空間で、おいしいコーヒーをいただきながらアットホームな雰囲気の中で、視覚や脳についてのおしゃべりをします。

内容:『著者と話そう 脳科学者・藤田一郎さん
    【入門講座】錯視体験 視覚の不思議、見るってどういうこと?』
日時:2016年8月26日(日)14:00〜15:00
場所:梅田蔦屋書店 コンシェルジェカウンター
予約: こちらのウエブサイトからどうぞ
2016/07/05◆  視覚科学フォーラム第20回研究会の参加登録・演題登録を開始いたしましたのでお知らせ申し上げます。こちらのウエブサイトをご覧になってください。


【参加登録・演題登録締め切り】
2016年8月5日(金)
 本研究会では、例年通りに皆様 から演題 を募集するとともに4件の
特別講演・招待講演を予定しております。

【 会期 】
2016年8月25日(木)〜26日(金) (25日の夜に懇親会を行いまsu)

【 会場 】
脳情報通信融合研究センター   (大阪大学吹田キャンパス内)

【 特別講演 】 
高橋政代   (理化学研究所・多細胞システム形成研究センター)
  「iPS技術を用いて網膜を作る」 (仮題)

【 招待講演 】 
郷田直一   (生理学研究所・感覚認知情報研究部門)
  「材質を知る: 質感認知の脳内機構」 (仮題)
中野珠実   (大阪大学・大学院生命機能研究科)
  「まばたきから明かす脳の秘密」 (仮題)
篠崎隆志   (情報通信研究機構・脳情報通信融合研究センター)
  「深層学習の真相 : これまでと今とこれから)」 (仮題)

 多くの皆様の奮ってのご参加、ご発表をお待ちしております。


視覚科学フォーラム第20回研究会   代表世話人 藤田一郎
(大阪大学大学院生命機能研究科・脳情報通信融合研究センター)

2016/06/14◆ 大脳皮質の中には美しい構造が埋め込まれている。錐体細胞が持つ水平軸索の分枝パターンはその一つ。そのパターンは、初期視覚野(写真上)と視覚連合野(写真下)では大きく異なり、それぞれの領域での情報処理にとって意味のある構造特徴を持つ。これらのパターンが生後、どのように発達して形成されるのかを明らかにした論文を発表した。Quanxin Wang, Hisashi Tanigawa, and Ichiro Fujita (2016) Postnatal Development of Intrinsic Horizontal Axons in Macaque Inferior Temporal and Primary Visual Cortices. Cerebral Cortex first published online April 24, 2016 doi:10.1093/cercor/bhw105
pdfはこちら

2016/06/11◆ 来週火曜日、中ノ島のリーガロイヤルホテルで話をします。詳細はここ

2016/06/11◆ 本研究室の研究テーマの一つ「両眼立体視」に関する私たちのこの10年の成果をまとめ、立体視を可能にしている計算アルゴリズムとその結果としての知覚との間の関係についての仮説を提唱した論文が公刊された。Fujita I & Doi T (2016) Weighted parallel contributions of binocular correlation and match signals to conscious perception of depth. Phil Trans R Soc B 371: 20150257. である。オープンアクセスになっていないが、著者からpdfを配ることは推奨されている。ご関心の方は、pdfをご請求ください。なお、ジャーナルウエブサイトはここ。なお、プレプリント(原稿pdf)であれば、こちらで入手可能です。

2015/08/27向こうから歩いてくる人を見ているとき、その人の像は網膜の上でだんだん大きくなっている。にもかかわらず、その人が大きくなっていくようには感じない。この現象は大きさ恒常性と呼ばれる。ものの大きさを知覚するときに、私たちの脳が物体の網膜像の大きさに加えて距離も考慮に入れていることをこの現象は意味している。

たとえば、左図は何の変哲もない状景だが、白線の上にたっている人物の像をコピーして奥に貼り付けると(中央図)、この人物は巨人のように見える。一方、手前に貼り付けると(右図)、この人物は小人のように見える。これは、この写真に含まれる線遠近やきめの勾配、陰影といった手がかりを使って私たちの脳が距離を推定し、その情報を加味して大きさを知覚しているからだ。物体までの距離が変わった時に起きるはずの網膜像の大きさ変化を無視して画像を作ったため、大きさ恒常性が起きず、異常な大きさに感じるのである。

像の大きさと距離の両方が大きさの知覚を決めていることは、2000年も前にプトレマイオスも気づいていた。だけど、網膜像の大きさ情報と距離情報が脳の中のどこで、どのように相互に作用するのかはずっと不明のままだった。大学院生だった田中慎吾君(現、玉川大学)と一緒に行った研究で、V4野と呼ばれる視覚野の神経細胞が、この知覚現象を説明する特性を持つことを示した。今日、Journal of Neuroscience誌のオンラインに載った。10年来の仕事なので、率直に言って、うれしいというよりほっとした。(編集者のコメント欄This week in the Journalの対象論文になっている。こちら)(大学からの広報はこちら

Tanaka S, Fujita I (2015) Computation of object size in visual cortical area V4 as a neural basis for size constancy. J Neurosci, 35: 12033-12046.

やっぱり嬉しいのかな。ここで皆さんに紹介したいと思うくらいなんだから。

2015/03/27◆ 「脳がつくる3D世界」の刊行に合わせた講演会が開かれます。

講演: 藤田一郎「3D世界を見せる脳のからくり〜立体視のなぞとしくみ」
日時: 2015年4月25日(土曜日) 開場14:30、開演15:00
場所: MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店 7階イベントスペース
参加費:無料
定員: 30名(定員になり次第、〆切)(電話予約または1階レジにて)
問い合わせ: 電話 06-6292-7383

詳細: こちら
2015/03/25◆ 今日は、大学全体の卒業式、各大学院の学位授与式、各学部の学位授与式が連続して行われた。私は生命機能研究科と基礎工学部生物工学コースの学位授与式に出席。吹田キャンパスと豊中キャンパスを行き来した。「やるべきことをやった」学生は、ほんの一年前、いやそれどころか3ヶ月前に比べても、一皮も二皮も向けた。彼らは自信を得た。私も自信を持って送り出せる。前途における幸運を心から祈る。時々は帰って来い。
2015/03/01◆ 【ドレスの色が人によって違って見えるのはなぜか】
昨日、ランチの直後に、某TV局より電話。「前日からインターネット上で世界的に騒ぎとなっているのだが、同じドレスが白ー金の縞に見える人と青ー黒の縞に見える人がいるのはどういうことなのか」という問い合わせである。メール添付で送られてきた写真(ここを参照)を見ると、私にはどう見ても白と金。白が少し青みがかっているとは思うが金の縞が黒に見えるとは信じがたい。秘書にも見てもらうが彼女も白ー金に見えるという。モニターの角度のせいではと思い、調節したところ、見えが少し変わる。論争の原因はモニターに理由があるんではないかと一瞬思ったが、念のためプリントアウトしたものを学生室に持っていってみると、言下に「青—黒に見える」と言った学生がいた。「え〜、ほんとう?」と驚いているところに、再びTV局から電話。5時の番組で扱いたいのでコメントをすぐもらいたいとのこと。自分で青ー黒に見えるという確認ができない段階なので、他の方に当たってくれるように返事した。

物体から網膜に入ってくる「光の強さと波長」(z)は、その物体の表面の反射特性(x)とその物体へ注がれている光(y)によって決まる。xがいわゆる「物体の色(色相も明るさも含んだ意味で)」で、式に書くとz=x・yだ。脳は網膜からzの情報だけもらうことになる。つまり利用可能な情報はzだけなのに、脳はxとyの二つを決めないといけない。4=x・yという式が与えられたら、4=1x4かも知れないし、4=2x2かも知れないし、4=4x1かも知れないので、xとyを一義的に決めることは難しい。通常、物体に注がれている光(y)の推定は視野全体の状景から得ることができ、そのyの推定に基づいてxを決定し、私たちは個々の物体の色を感じることになる。

くだんのドレスの写真は、手がかりとなる周りの状景がトリミングされているため、脳は、yを画像から推定できず決め打ちし(勝手に解釈し)、それに基づいてドレスの色(x)を決定した。yの値が変わるとxの値が変わり異なった色を知覚することになる。yが大きい(ドレスに光がたくさんあたっている)と脳が判断した人はxが小さくなり(ドレスは光を反射しない暗い色ー>青と黒)、yが小さい(ドレスに光があまりあたっていない)と推定した人は、xが大きくなった(ドレスは光を反射する明るい色ー>白と金)。この解釈を支持するのが、grapeというサイトにある素晴らしい写真である(ここ)。ドレスを光のあたっていない女性(左)とあたっている女性(右)にはりつけると、知覚される色が上に書いたとおりに変化する。

色というのは物体の性質ではなく脳が作り出すものである。日常の感覚から言うと妙に聞こえるかも知れないが、同じ画像を見て、異なった色を感じることからも明らかである。このこと自体は、ずっと昔から科学や哲学の世界では言われていることだ。このドレスの写真が、私たち視覚研究者をも驚かせたのは、yの推定が個々人によって非常に違うということを示唆している点である。今後、きっと、厳密な実験がなされるだろう。おそらく、訓練によってyを変更させることで色の見え方が変わることも示されるだろうと思う。ドレス錯視とか呼ばれるようになるのかな。
2015/02/19◆ 「脳がつくる3D世界〜立体視のなぞとしくみ」(化学同人)が出版された。立体視の心理学と神経生理学、立体映像技術の原理を解説した。専門的なところもあるが、一般読者を想定して、ごく基本的なことから書いてある。加えて、私の関心を反映して、フクロウチョウ、コミスジ、アダンソンハエトリ、カマキリ、カメレオンなどの生き物の話、ジュリアン・ビーバー、葛飾北斎、マザッチョ、レオナルド・ダビンチ、南蛮屛風、江南信国、山口誓子などのアート関連話、フランシス・クリックのいらだち、イブ・マーダーのクリスマスディナー、二唐東朔の雄弁、ホレス・バーローの誘惑等の研究小史を盛り込んである。
2015/01/23◆ 経済誌に記事を書くというのは初めての経験なのだが、これから5週に1度、週刊ダイヤモンドという雑誌に、脳に関する連載コラムを書くことになった。あとの4週は、大栗博司(宇宙)、巽好幸(地球)、深谷賢治(数学)、大隅典子(生命科学)の4氏がご担当。この4氏の記事を読みたいので、毎号読むことにした。

2015/01/17◆ 20年。あの朝、ガシャガシャと揺れ始めた本棚から、長年集めた昆虫の入った標本箱が落ちてくるんではないかと布団の中から眺めていた。支えるために立ち上がることもしばらくはできなかった。幸い、本棚は倒れず、標本箱も落下しなかった。階下に降りると、食器棚が倒れており、すべての食器が粉々。最低限の片付けをして、大学へ向かった。地割れがある道にも、まだ規制がされておらず、そろそろと地割れをまたいで車を走らせた。最上階である11階の私の研究室まで階段を登ると、建物の天井の継ぎ目から冬の青空が見えた。
2015/01/03◆ 新しい年となりました。研究室の皆さん、そして、このウエブサイトを訪問された皆さん、本年もよろしくお願いいたします。年末年始の休暇を使ってリフレッシュした心身で、今年一年の研究・教育・勉学を進めていきましょう。研究室創立から21年目を迎える本年、本研究室には大きな変化がいくつかあります。毎日、毎瞬を大切にして、丁寧な仕事を積み上げていきたいと思います。

2014/12/27◆ おやっ、これは驚き。現在、ゲラ校正中で2月に刊行予定の拙著の知らせが、もう、インターネット上に出ている。「脳がつくる3D世界〜立体視のなぞとしくみ(仮題)」である。こちら。あっ、こちらにも!
2014/12/15◆ 先週はドイツとチリより共同研究者たちがやってきてくれ、みっちりと議論。ドイツ人大学院生R君が、病院前の池で「鶴がいた!」と言って撮ってきた写真は、先日、この欄で紹介したアオサギだった。鶴はこのキャンパスには降りてこないなあ。


2014/11/26◆ 今朝、PBL(課題探求型授業)だった。先週の相談の結果、今期のPBLではスキャニメーションを作ることになり、その作り方をネットで調べてくることになっていた。おどろいたことに、調べてきた学生の一人が、「藤田先生を題材にしてスキャニメーションを説明した動画がYouTubeに載ってました」と言うではないか。「はあ、何のこと!?」と言いながら、ここを見てみると、確かに私が映っている。そう言えば、昨年、学部2年生の授業「脳科学入門」で出した課題に対して、TF君がこのスキャニメーションを作って来たんだった。すっかり忘れていた。YouTubeに載せているとは知らなかった。

◆◆ 12月7日22:30−13:24.BS日テレの「コージ魂」という番組に出演する。1時間のトーク番組で、加藤コージさんと対談。2光子レーザー顕微鏡によるV4野の画像や、学生の人たちが作った錯視ビデオ「Mysterious Tea Time」も放映されるはず(どう編集されるかわからないので断言はできないけど)。
2014/11/20◆ 日本経済新聞の編集委員の方に、色知覚についてさまざまなことをお話する機会があった。以下のような記事が出たとのお知らせを受けた。


2014/11/19◆ 出張のための新幹線の切符を生協にとりに行った帰り道、吹田キャンパスのメインストリートのケヤキの紅葉が美しい。見上げながら歩いていると、カラの混群に出会った。シジュウカラ、コガラ、エナガに加えて、コゲラやメジロも混じっている。総勢20,30羽はいるようだった。豊中キャンパスの待兼山ではよく出会ったが、吹田キャンパスでは初めてだ。人間科学部の建物の屋上のひさしには、アオサギが一匹、りりしく立っていた。やっこさんが、病院の池の金魚をほぼ全滅させている張本人である。

◆◆ 先日、ハンガリーから旧友ZK氏が突然の来訪。何年ぶりだろう。前回会ってから7、8年は経っている。30年前、初めて会った日からほぼ半年間、毎日毎日、実験終了後から夜更けまで(ときには翌朝まで)、ハンガリーのことや、サイエンスのことや、言語のことや、日本の歴史のことや、スポーツのことなどを話したのだった。いったい、お互いどこが波長があったのやら。人間のdignityという言葉を学んだのは彼からだったのを覚えている。お互い年をとったと笑いあう。新大阪まで車で送り、固く長い(ほんとに長い)握手をして別れた。

2014/10/29◆ UCSFで鳥の歌制御、学習の研究で活躍をしていたAllison Doupeさんが亡くなった。けさ、メールボックスに理研のKC氏より転送された訃報が入っていた。UCSF精神科ウエブサイト。今日は一日呆然と過ごした。今から、20数年前、カルテクのMark Konishi研のポスドク同期。オフィスが隣同士で、彼女の患者さんからの電話を取りついだりしたこともあった。当時、彼女は週末、UCLAの精神科に勤めながら、週日はキンカチョウの脳からシングルユニットを記録していたのだ。やさしく、あかるく、賢く、知的で、美しいポスドクで、誰からも好かれていた。つい2ヶ月前にメールをやりとりしたときに、札幌での国際ニューロエソロジー学会で開いたシンポジウムの写真(Markや教え子たちの映った)を送ったらとても喜んでいた。当時の仲間がどんなにショックを受けているかがわかる。誰からもメールが来ない。


◆◆ 今週土曜日11月1日、梅田のNHK文化センターで下記のような講演を行います。

スピーカー: 藤田一郎
題目:    「脳が心を生む〜認知脳科学への誘い」
場所・時間: NHK文化センター梅田  10:00〜11:30

満席になったため、いったん申し込み受付を終了していましたが、会場を大きなものに変更し、受付を再開したとのことです。くわしくはこちら
2014/10/16◆ Doi & Fujita (2014) Cross-matching: : a modified cross-correlation underlying threshold energy model and match-based depth perception.Frontiers in Computational Neuroscience, doi: 10.3389/fncom.2014.00127の最終版がオンラインにでた。暫定版からいくつか訂正を行ったので、こちらでPDFを。

◆◆ こんなところに呼ばれた。わっぴいさん(左から2番目)は、高校時代、脳科学を目指していたとのことで、打ち合わせ時に様々なおしゃべりで盛り上がった。ここも見てみよう



◆◆◆ TO君、日本学術振興会のDC1に採用決定!おめでとう。
2014/10/09◆ ノーベル医学生理学賞が場所細胞、グリッド細胞の発見の功績により、オキーフ氏とモーザー夫妻に。写真は、2、3年前に「脳と心のメカニズム」ワークショップに来たときのオキーフさん。

2014/10/08◆ CiNet棟の前に出て、研究室のみんなで皆既月食を鑑賞。野生のニホンザルの写真を撮るつもりで準備した望遠レンズを使って、KI君が月の写真を撮影した。いつも思うんだが、何千年も何万年も前の私たちの祖先は、夜になると空に浮かび、日によって形をかえる、光輝くこの不思議な物体をどんな気持ちで眺めていたんだろう。

2014/09/25◆ 土井隆弘君の第三弾「Cross-matching: a modified cross-correlation underlying threshold energy model and match-based depth perception (Doi T & Fujita I)」がオンラインに出た。両眼立体視の際に行われる両眼対応計算を理論的に定式化した論文である。この理論が予測する心理学的現象が起こるかどうかを、現在、当研究室で検証中。ちなみに、今年ワシントンDCで開催されるSociety for Neuroscience Annual Meetingでは、Cumming B, Read Jらの英米グループから、両眼立体視のためにcross-matchingとcross-correlationという二つの計算過程を想定する(これがわれわれの主張)ような必要はなく、後者だけで、Doi et al. (2011, 2013)の二つの論文の結果や彼ら自身の心理実験の結果を説明することが可能だという主張の発表があるらしい。こちら。私は今年DCの会には参加しないので、土井君にこの発表をよく聞いてきてもらうことにしよう。

◆◆ そういえば、今年の1月に当欄に以下のような記事を載せたが、この件も、なぜ、Hibbardらが逆転奥行きを確認できなかったかの理由が、ほぼ解明されつつある。

*****ランダムドットステレオグラム(RDS)の右目像と左目像のコントラストを逆転した刺激を逆相関RDS(aRDS)と言う。aRDSを見ると何が起こるかは長い論争の的となってきた。奥行きが見えなくなる(奥行き弁別できない)というのが従来の支配的定説で、それに基づく理屈で、サル大脳皮質における生理学的データの解釈がなされていた。しかし、2008年、田辺、安岡らは、適切な刺激提示条件が満たされると、aRDSには逆転奥行きが見える(本来、近くに見えるはずの交差視差を与えると奥に見え、遠くに見えるはずの非交差視差を与えると近くに見える)ことを決定的に示した。また従来の論争がどこに起因するのかの説明も証拠つきで提出した。奥行きがまったく見えないのか、それとも逆転奥行きが見えるのかは、両眼立体視の大脳皮質メカニズムを解明していく上で、決定的に重要な分岐点である。田辺らの研究結果は、その後、独立した実験で繰り返し確認されるとともに、刺激に工夫を加えて、立体視メカニズムのさらなる解明へと発展している(たとえば、これこれ)。ようやく、長年の問題にも決着がつき、両眼立体視研究も次のステップに入りつつあると思っているところだった。ところが、今年になって、aRDSを見ても「逆転奥行きは見えない」という「歴史のねじを巻き戻す」ような主張の論文が出た。逆転奥行きが見えないケースがあっても不思議ではないが、このネガティブデータに基いて、「ヒトにおいてaRDSは逆転奥行き知覚を起こさない」と一般化してはいけない。タイトルだけを見て論文を実際に読まない人たちの口を介して、この著者らの主張が広まってしまっては困るので、土井、田辺両君とともに、なぜ、著者らがそのような結果を得たのかに対する我々の見解を投稿した。こちら。この論文を読む人には、ぜひ、私たちのコメントにも目を通してほしいと願う。*****

◆◆◆ 発表した研究成果に対して反論が出るというのは良いことだ。この世界のどこかで誰かが、われわれの研究に真剣に向き合っているということを意味しているのだから。今回のReadらによるSfNの発表にも、証拠つきでじっくり再反論していくことになるだろう。
2014/08/05◆ 7月28日から31日まで札幌で国際ニューロエソロジー学会が開催された。Mark Konishi先生のニューロエソロジー分野への偉大な貢献を祝うシンポジウムが会期中にあった。シンポジウム終了とともに、会場にいた人々すべてが立ち上がり、Markへのあたたかい拍手が数分の間、鳴り止まなかった。胸が熱くなった。



◆◆ Mark とともに、ニューロエソロジー分野の金字塔とも言うべきデンキウオの混信回避行動のメカニズムを解明したWalter Heiligenbergが飛行機事故でなくなって今年で20年である。彼のことも、今なお多くの人々が愛し、敬い、慕っていることがこの学会の各所で見られる。Markと同行してやってきた、Walterのご子息Gaborさんは、それを知って感激していた。すばらしいことだった。

◆◆◆ ドイツの昆虫神経行動学の重鎮Franz Huber氏からは以下のメッセージが届いた。素敵で、教訓に満ちた、言葉だ。

For the meeting in Sapporo I wish full success, new surprising insights into behavior and its evolution, as well as into the neural bases at all levels of integration. Have a pleasant time and don't forget the predesessors in the field because you partly walk in their footsteps - but you have to create your own footprints to bring neuroethology to new shores.
2014/07/23◆ 神経細胞形態に関する以下の2つの論文が出そうです。両者のアクセプトの知らせが同時に来ました。

Sasaki T, Aoi H, Oga T, Fujita I, Ichinohe N (2014) Postnatal development of dendritic structure of layer III neurons in the medial prefrontal cortex neurons of marmoset. Brain Struct Func in press

Elston GN, Fujita I (2014) Pyramidal cell development: postnatal spinogenesis, dendritic growth, axon growth, and electrophysiology. Front Neuroanat in press

あと少なくとも3編、形態学論文を抱えています。
2014/07/21◆ 毎朝、散歩する千里川。この1ヶ月以上、目を楽しませてくれたハグロトンボの数が減ってきた。実に和風、繊細なその姿にいつも見とれる。独特な飛翔の仕方はストロボ写真を見ているような錯覚をひきおこす。彼らが減っていく代わりに、関西の夏の象徴クマゼミの鳴き声が騒がしくなってきた。道脇の側溝に、かれらの抜け殻がついているのだが、今やその数、50を越えようとしている。
2014/07/19◆ 昨日のCiNetにおけるシンポジウム、すばらしく楽しいものだった。4人のトークそれぞれから多くを学んだ。CiNet顧問の小川誠二先生も来てくださり、またスタンフォードのHT君、玉川大学のST君らも参加。研究室ツアーでも熱く情報のやりとりをし、ランチもディナーも様々なことを語りあった。そして、それでも足りず、最後には、Anna, Ed, Izumiとホテルのバーへ。

◆◆ TBSラジオに松尾貴史さんがパーソナリティをしている「夢☆夢エンジン」という番組がある。東京エレクトロンという会社がスポンサーなのだが、実にストレートにサイエンスの楽しさを伝える番組だ。毎回、科学者と松尾さん(とTBSアナウンサーの岡村さんあるいは加藤シルビアさんが)が語りあう。すでに150人以上の科学者が参加したそうだが、その25回分をまとめた「科学(楽)の宝箱」(講談社)という本が送られてきた。最終章に私の話もまぜてもらったからだ。楽しい話、ほほうと思う話、おっそうなのかと思う話が満載である。
2014/07/17◆ 皆さん、ご無沙汰しております。あす、CiNet棟で下記のとおり、インフォーマルなシンポジウムを開きます。どなたも参加可能です。ぜひ、いらしてください。
Date/Time: July 18th: 10:00-11:30, 13:00-15:15
Place: CiNet 1F Conference room A

10:00-10:40 Corey Ziemba (New York University)
Textural tolerance increases from V1 to V2

10:50-11:30 Jonathan Winawer (New York University)
Spatial integration in the human visual pathways


13:00-14:00 Anna Roe (Vanderbilt University)
High spatial resolution brain imaging and targeted stimulation in nonhuman primates

14:15-15:15 Ed Connor (Johns Hopkins University)
An Efficient Shape Coding Strategy in Visual Area V4

Organizers: Ichiro Fujita, Izumi Ohzawa, Kaoru Amano
2014/05/29◆ 明日、下記の予定で、認知脳科学研究室のモハマド・アブドラーマニ君の博士号本審査会が開催されます。モハマド君はすでに予備審査を合格し、明日は10分の講演と10分の質疑応答からなる本審査に臨むこととなりました。生命機能研究科のサマースクールに参加し、その後、研究生を経て、大学院に進学し、長く研究に携わってきましたが、この度、いよいよ本審査会での発表です。お時間とご関心があるかたは、ぜひとも、ご臨席いただきたく、ご案内申し上げます。
藤田一郎

【本審査会(公聴会および審査会)日程】
日 時:平成26年5月30日(金)14:00〜
場 所:生命機能研究科ナノバイオロジー棟3階セミナー室
発表者:1名(Abdolrahmani Mohammad)
論文題目:Representation of Stereoscopic Depth in Pooled Neural Responses of Macaque Visual Area V4
(マカクザル視覚皮質V4野の細胞集団による両眼性奥行きの表現)

Dear all,
I am pleased to announce that Mohammad Abdolrahmani in my laboratory is going to have a Ph.D. defense public talk tomorrow. He already passed his pre-defense examination last month, and the talk tomorrow will be a short one (10 min talk and 10 min discussion). Everyone is welcome to attend.

date and time: May 30 (Fri) 14:00~
place: FBS nanobiology building (next to CiNet)
3rd floor seminar room
speaker: Mohammad Abdolrahmni
talk title: Representation of stereoscopic depth in pooled neural
responses of macaque visual area V4
2014/05/20◆ 先の土曜日、当研究室の開設20周年の記念パーティーを研究室ゆかりの人々や現メンバーが開いてくれた。各地より50人近い新旧メンバーが集まり、アメリカからはビデオレターが2つ届いた。若さあふれる、形式にとらわれない、スピーディーで、サプライズがあり、リラックスでき、ほのぼのとした気持ちにもなり、ちょっと目頭が熱くなる局面もある、すばらしい時間だった。これらの人たちと過ごした日々と今。そして、彼らの前途洋々たる未来。これが20年の成果だ。未来に形として残るのは論文なんだが、大事なのはこっちであることは疑いようもない。

皆さん、本当にありがとう。

◆◆ パーティーの前、午前中は、HT君と二人で、10数年以上前に作成した組織標本を顕微鏡で覗く。遠い昔のままに。数日前に、実験室から私のオフィスに顕微鏡を持ち込んでおいた。「まったく退色していない。昔のまんまですよ」とHT君が声をあげる。昔のまんまなのは組織切片だけではない。僕らもだ。不思議な気持ちがした。

◆◆◆ 日曜ー月曜は東京へ。新幹線でA席。東京に向かうときの右側の席である。左の方が伊吹山、富士山、丹沢が見えるんだけどなと思いつつ、外を見ていると、進行方向右側に伊吹山が見える場所があることに気づく。登る予定だったのに雨で計画が流れた霊仙山や三上山も確認できた。名古屋からは、遠く鈴鹿山脈の一番端に鎌ヶ岳がそのとがった山容を見せ、その一つ手前には去年登った御在所岳が見える。かばんの中に山の本が一冊入っていたので、車窓からの山座同定が進んだ。

◆◆◆◆ 今回はコンピュータを持たずに東京へ行った。おかげでメール見たり、インターネット見たり、仕事をしたりせずにすんだ。もちろん帰阪すると仕事がたまってウンザリなんだが、ともかく、ITから自分を切り離した時間が必要(そうでもしなきゃ、車窓から美しい山、思い出の山を見ることもない)。カナダから来ているPK准教授はついに携帯電話をやめたと嬉しそう。私の場合、ガラパゴス携帯で、かつ、一日の通話回数は平均1回程度なので、携帯はOK。問題は、オフィスのPCにやってくる電子メールの山である。何か自主規制をしなくてはいけない(土日は見ない、午前中は返事をしない、返事はすぐにださずぎりぎりまで無視する、とか)。中身のある楽しいメールはいくらでも読みたいのだが、メールの9割以上は読まなくてもよかったメールである。これにかけている時間の積算量はばかにならない。貴重な人生の一部を費やすようなものではない。
2014/05/13◆ 本日13日午後1時から、天野薫さんによる生物工学特論の第3−5講義。豊中キャンパス基礎工学部J棟3階セミナー室で開催です。ご関心の方、学生でなくてもどなたでも参加できます。
第3講義      視覚皮質の可塑性
            運動視知覚
            アルファ波のメカニズム
第4講義      同時性知覚の神経機構
第5講義      視覚的意識の神経機構

◆◆ 散歩道の千里川。覗き込んでみるとカルガモが1匹、浅瀬に佇んでいる。30分後、ぐるりと回って反対岸を歩きながら、もう一度、先ほどの場所を見てみると、おーっ、7匹の子ガモが母ガモの周りを泳ぎ回っている!元気に育ってくれ。

◆◆◆ 今週末は、研究室の20周年記念パーティー。20年・・・

2014/04/27◆ 28日は、新人歓迎とMA君の博士号予備審査会合格(この審査会が事実上の本審査)を兼ねて、千里中央でコンパ。お隣の大澤研、鈴木研との合同。隣の研究室の学生の人たちとリラックスして話ができた良い機会だった。
 29日は、2週間後の霊仙山登りの予行で軽いハイキングを両S氏とする予定だったのだが、雨で中止。去年から、予定した山行の半分は天候不順で中止となっている。何という高確率。苦労して選んだ日に雨が降る。(2014/04/29)

◆◆ 2006年から5年限定と決めて2011年まで、ニセ脳科学に対する警鐘活動をして、その後は控えていたのだが、どういうわけかこの半年で3回、「どうしてもその話題で話してほしい」という依頼を受けた。そんな一つを先金曜日に行った。ニセ脳科学に限らず、さまざまなニセ科学の言説や商品の落とし穴は、やはりその道の専門家が一番よく指摘ができる。私を含め、科学者が、そのような指摘をすることは自分の仕事ではないと言って距離を置くことが正しいことだろうかーーー大学2年生のときに生物学科の同級生20名で「生物学と社会」という企画を行い、教師たちにインタビューをしたり討論をした際に疑問として浮上して以来、常に抱えている問題だ。

◆◆◆ 私自身、世間に流れる風説で「それは本当か」といつも疑問に思い、誰か専門家に聞いてみたいと思っていることが多々ある。例えば、「ヒアルロン酸を飲んだらお肌がプリプリになったり、コンドロイチン硫酸を摂取することで膝の痛みが直るのか(これらの物質を口にしたところで生体に取り入れられる前に一旦分解されるのではないか)」「放射性物質の除染と称して水で流しているが、そんなことして良いのか(流れた放射性物質はどこへ行き、どこにたまるのだ?)」「火葬にふした骨から、親子関係を特定できるほどのインタクトなDNAを抽出できるのか」などなど。

◆◆◆◆ 多数の犠牲者が出たセウォル号沈没、何と痛ましい出来事だろう。この事故も、福島原発の事故も、小さなウソを放置した積み重ねが、これらの重大な事態を招き、起きた時には適切な対応をとることができなかった。「お肌ぷりぷり」や「脳に効くサプリ」に隠された怪しさだって、誰かが気にしていなくてはいけないだろう。
2014/04/24◆ 本日のTea Talkは、Ben Seymourさんによる"Why do we laugh?". Tea Talkは、自分の研究とは別の話を短時間提供し、みんなでお茶のみながら、いつもとは違うことを考える会。火星に移住する話やグライダーの操縦の話やドクター・フーの話やフクロウの話、などなど。だんだんうわさが広まって、CiNetメンバーだけでなく、いろんな国から来たいろんな研究機関の人が集まるようになりつつある(学生諸君、君らも積極的にでておいで)。どこかの国や町に行ったら、そこ特有のお茶をお土産に買ってきてこの会に寄付して、みんなで楽しむことになっている。先週は、上質のウーロン茶の缶が貢がれていた。15時半、地下セミナー室。地下といってもまどの外は堀込みがあって、植栽がとても美しい。(4/26追記:今日、カウントしてみるとセミナーに参加した30名のうちの10名が外国の方たちだった)
2014/04/23◆ 今日は何か特別な日だったはずなんだが、カレンダーには授業とセミナーと学生との研究相談の予定しか書かれていない。家族の誕生日でもないし、友人のラブラドールを預かる予定もないし。何だったけな。首かしげながらでかけた豊中での授業は1年生向けの生物科学概論。僕が神経科学を専門にしていることを知る学生から、「将来、脳の研究をしたいんですが、何か良い教科書を教えてください」という質問が出た。「そうだねー」と言いながら紹介しようとして、思い出した。そうだ!!!今日は、「カンデル神経科学」の発売日だ!
2014/04/20◆ 昨日19日は、生命機能研究科の入試説明会とオープンラボ。2名の学外生が研究室を見学に来て面談を行った。昨晩、その一人から礼状が来たのだが、その完璧で丁寧な文面に驚く。中国からの留学生の人だった。驚嘆すべき日本語運用能力。このようなメールを書ける日本人学生は100名のうち、何人いることだろう。
◆◆ 散歩の通り道、道脇に生えているキクの芽の先端がことごとくしおれている。「キクスイカミキリがもう出ているのか」と目をこらすと、いるいる。体調1センチ、幅2ミリのスレンダーな暗青色の体、胸に赤い丸印の彼らが、そこかしこで、キクを齧っていた。これから1、2ヶ月、花も虫も鳥も、一年で一番楽しめるシーズンである。
2014/04/18◆ 某社のウエブサイトにインタービュー記事が載った(ここ)。およそ、この会社とは関係のない私の思い出話みたいなものを延々と話し、すこしだけ、書籍の電子化についての感想を述べたのだが、驚いたことに、インタビュアーとの会話のほとんどすべてが記録されている。記事に載っているシクリッドの写真は、僕のオフィスで飼っている魚を撮ったものだ。物理学のSK先生の研究室が閉じられるときにそこで飼われていたものをお引き受けした魚で、それ以来、ずっと一緒にいる。朝、大学に出ていくと、水槽のガラス壁に顔をぶつけるようにして寄ってくる。

◆◆ 来週火曜日は、イランからの留学生MA君の博士号予備審査会。彼の研究はこの半年で非常に深まった。米国にいるTD君や理研にいるHS君という二人の当研究室の卒業生との深い議論、彼らから助言により、開始時には予想していなかった境地に研究は達した。今日は、火曜日の発表会の練習会だったが100点満点の15点くらいのでき。あと4日だぞ。がんばって。

◆◆◆ 4月になって、修士課程の新人にスリランカのK君(あれ、ファミリーネームのイニシャルなんだっけな)、4年の卒研生が4人、やってきた。5月からは、研究生としてTO君が本研究室に復帰。また、新しい日々が始まった。

◆◆◆◆ HSさん、もうひとりのHSさん、私の視覚神経科学3人組登山隊の次の山行きは霊仙山と決まった。が、その前にもう一個くらい、一人でどっか登りたいな。

◆◆◆◆◆ 昨日のTea Talkは私が当番。"Weird brains, beautifully wired"と題して、脳の構造を知ることの楽しさと重要さを紹介。たくさんの人が来てくれた。ずいぶん外国の方が多かったなあ。さまざまな学部や近隣の研究機関(大阪、神戸)の人まで聞きに来たようだ。CiNetはどんどんいい感じになってるぞ。
 それが終わったら、別のPC抱え走るようにしてTTさんの車に乗り込み、梅田のウエスティンホテルまで送ってもらい、今度はまったく別の内容のトーク。大阪で活動する、広島ゆかりの財界人や政治家や医師や行政の方々、その他さまざまな方々に話をした。招いてくださったのは、コンサルティング会社を東京と大阪で経営し、また、交通遺児や虐待の被害にあっている子等のための奨学金を出している法人を運営しているTさんという方。さまざまなお話を食事の時や帰りのバスでうかがった。素晴らしい方。私も広島県生まれだということで、皆さんに暖かく迎えていただいたのだけれど、生まれ落ちたのは呉市だが、育ったのは殆ど東京。なんだか申し訳ない気がした。
2014/03/19◆ 14日、理研から訪ねて来られたベヌチさんのセミナーの後、伊丹空港へ。えらく寒い。翌15日、鹿児島で迎えた朝はうって変わった暖かさ。サクラ、モクレン、ミツマタ、スミレ、レンゲ、もうすっかり春だと感激したが、18日に帰阪してみると、吹田キャンパスもレンギョウ、エニシダ、コブシ、ユキヤナギなどがいっせいに咲き始めている。サクラももうすぐだろう。ドイツより、共同研究者JIさん、RM君も到着。2週間の滞在の間に、彼らにもサクラを楽しんでほしい。

◆◆ 今日(20日)はJIさんによるトーク「Neural correlate of active vision」。とても良かった。休み明けにまたたくさん質問しよう。トークのあと、立食パーティー。KI君と話していたら、「鹿児島でカンデル神経科学の編集者の人とあったでしょう?」「えっ、よく知っているね。何で知ってるの?」「フェイスブックに藤田先生のこと、載ってましたよ」「ええっ!?」というわけでググッて見ると、これこれでした。本を作る人たち(編集者)と話をすることはとても楽しい。言葉や、本という媒体や、科学や文化というものを大切にする彼らを僕は心から尊敬している。鹿児島でのおしゃべりの一時も楽しいものだった。

◆◆◆ というようなことを上に書いたが、実を言うと、僕は、facebookとかlinkedinとかtwitterとか言うものがどういうものだか、正確にわかっていない。利用の仕方もしらない。しょっちゅう、何かお知らせがメールに入ってくるのだがどう対処すべきかもわからない。ともかく、今以上に、インターネットメカニズムに組み込まれるのはごめんだという思いで、無視しつづけている。研究室ウエブサイトのここに、ぼそぼそ何か書くぐらいの付き合いにしておきたいのだ。
2014/03/05◆ 脳情報通信融合研究センター(CiNet)の英語ページができた。トップページ 私のページ。Ben の美的感覚の結晶ともいえるものになっている。私の写真はどこでとったものか、わかる?そういえば、リーディング大学院「ヒューマンウエア」のウエブサイト英語版も最近アップされた。ここ (2014/03/07)

Benって誰?と思った人、英国総領事館のウエブサイトのここ見てください。この中の彼の次の言葉、気に入った。"My personal belief is that we should stick to doing what is interesting, because that is when we come up with the most creative ideas. You don’t have to have an idea about how an application will develop. There are many unknowns in the world, and we explore them to find what’s there. And then applications come. They always come”最後の一言、they always comeがすてきなんだな。

◆ 昨日、今日は、生命機能研究科春の学校。全国から、生物学、生命機能研究科に興味を持つ若者が集まり、箕面山荘で合宿。様々な議論をし、おいしい食事をし、教授同士も馬鹿話を咲かせ、温泉に入った。寝ようと思って寝室に行き、蒼白。とんでもないタバコ臭が部屋にしみついている。タバコに強いアレルギーを持つ僕には、この部屋で寝ることは不可能。悩んでいる一分の間にすでに頭痛と喉に異変が。。。まだ10時なので、家に帰ることを決意。ところが、N教授のご好意で、VIPルームにお泊りの彼のベッドと学生7人と雑魚寝の和室の私の寝場所(ふとん)を交換してくださることに。おかげで、何事もなく朝まで寝ることができた。感謝。深く感謝。今や、年々、たばこの煙が含有する分子には敏感になる一方。で、交換して入れていただいた部屋だが、固有の露天風呂があり、ベッドルームとの間はガラスの壁でしきられている。こりゃ、どう考えても、素敵なレディーと来るべきところだなあ。で、私の隣のベッドだが、そこには、文化功労者TY教授が。大学や科学の将来について楽しく話した。とほほ。ごほっ、ごほっ。

◆ 「神経インパルス物語〜ガルバーニの火花からイオンチャネルの分子構造まで」(共立出版、Alan J. McComas著、酒井正樹・高畑雅一訳)をご恵贈いただいた。実におもしろそう!!この数年、神経科学の源流を訪ねる作業を行っている私にとっては、この上ない興味を喚起される。あと2週間ほど、どたばた用事があるのだが、そのあとの数日に読むのが楽しみだ。
2014/03/04◆ Micky Goldbergさんが京大に来られて以下の二つのセミナーを行うとのお知らせをいただきました。

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京都大学 学際融合教育研究推進センター 【 LIMSプログラム特別講義 】
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演題: The Brain's system in selection of relevant information in the real world.
演者: Michael E. Goldberg
所属: Columbia University
日時: 平成 26 年 3月 17日(月)16:30 〜 18:00
場所: 京都大学医学部構内 G棟 2階 LIMSセミナー室A

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京都大学 学際融合教育研究推進センター 【 LIMSプログラム特別セミナー 】
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演題: Attention and arousal in the prestriate-parietal network: insights from visual search.
演者: Michael E. Goldberg
所属: Columbia University
日時: 平成 26 年 3月 20日(木)14:45 〜 16:15
場所: 京都大学医学部構内 G棟 3階 LIMSセミナー室A

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2014/03/03◆ NHK文化センター神戸教室において、以下の話をしますのでお知らせいたします。
藤田一郎「脳が心を生む〜視覚研究から見た脳と心〜」
2014年3月29日(土)10:30−12:00
NHK文化センター神戸教室(JR駅前すぐ)
会員2835円、一般3150円
詳細はこちら
2014/03/02◆ 先週と同じく、千里川を南へ歩く。この間の梅はずいぶん香りが落ちた。ヒドリガモ、カルガモ、それから今日はチュウサギが川の中にいた。水は泡立っており、あまりきれいではない。これらの鳥たちが健康に生きていけるような川であって欲しいと願う。川原には、ペットボトル、レジ袋、空き缶などがちらかっている。
◆◆ 大阪に越してきた頃、もう20年前のことだが、ヒメボタルの発生地が千里川のすぐ横の畑地と竹林にあった(ヒメボタルは陸生のホタル)。その後、そのあたりにマンションが立ち、発生地もなくなったものと思っていたが、今日、散歩の途中でそのマンションの裏に行ってみると、豊中市の保護地となって、以前のまま、畑と原っぱと竹林が無造作な感じで残されていた。これはいい!6月にはヒメボタルを見に来ることにしよう。
◆◆◆ Sさん宅は庭の前に大きな池がある。そのフェンスにカワセミが止まり、池の魚を狙う。先週、すばらしい写真を送ってきてくれた。今日は、同じ場所にシジュウカラが。鳥に限らず、動物たちの後ろ姿というのは実にかわいい。人もまた、後ろ姿に、その人の味の良し悪しがでる。
2014/02/23◆ 昨晩「ドナルド・キーン自伝」(角地幸男訳)を読んでいたら、梅の香りのことがでてきた。「そういえば、梅の花の季節だな」と思い、今朝、梅を求めて散歩へ。我が家の庭の梅は、昨年、植木屋に入ってもらった時期が悪く、今年は皆無。千里川をいつもは箕面向きに歩くのだが、今日は下流方向へ歩いた。しばらく行ったところで、あったあった、梅が満開。久しぶりの梅の香。嗅覚情報が、扁桃体へ行くからか、前頭眼窩野に行くからか、何かemotionalなものを感じる。梅の花を見ることと、かぐことは、まったく違う。
2014/01/26◆ ランダムドットステレオグラム(RDS)の右目像と左目像のコントラストを逆転した刺激を逆相関RDS(aRDS)と言う。aRDSを見ると何が起こるかは長い論争の的となってきた。奥行きが見えなくなる(奥行き弁別できない)というのが従来の支配的定説で、それに基づく理屈で、サル大脳皮質における生理学的データの解釈がなされていた。しかし、2008年、田辺、安岡らは、適切な刺激提示条件が満たされると、aRDSには逆転奥行きが見える(本来、近くに見えるはずの交差視差を与えると奥に見え、遠くに見えるはずの非交差視差を与えると近くに見える)ことを決定的に示した。また従来の論争がどこに起因するのかの説明も証拠つきで提出した。奥行きがまったく見えないのか、それとも逆転奥行きが見えるのかは、両眼立体視の大脳皮質メカニズムを解明していく上で、決定的に重要な分岐点である。田辺らの研究結果は、その後、独立した実験で繰り返し確認されるとともに、刺激に工夫を加えて、立体視メカニズムのさらなる解明へと発展している(たとえば、これこれ)。ようやく、長年の問題にも決着がつき、両眼立体視研究も次のステップに入りつつあると思っているところだった。ところが、今年になって、aRDSを見ても「逆転奥行きは見えない」という「歴史のねじを巻き戻す」ような主張の論文が出た。逆転奥行きが見えないケースがあっても不思議ではないが、このネガティブデータに基いて、「ヒトにおいてaRDSは逆転奥行き知覚を起こさない」と一般化してはいけない。タイトルだけを見て論文を実際に読まない人たちの口を介して、この著者らの主張が広まってしまっては困るので、土井、田辺両君とともに、なぜ、著者らがそのような結果を得たのかに対する我々の見解を投稿した。こちら。この論文を読む人には、ぜひ、私たちのコメントにも目を通してほしいと願う。
2014/01/21Date/Time: January 27th: 16:00-17:30
Place: CiNet Building 1F Conference Hall

Computational neuroanatomy of the human white-matter pathway between
dorsal and ventral visual cortex

Hiromasa Takemura, PhD
1) Department of Psychology, Stanford University, Stanford, CA, USA
2) Japan Society for the Promotion of Science, Tokyo, Japan
(In collaboration with Brian A. Wandell, Franco Pestilli, Ariel Rokem,
Jason D. Yeatman at Stanford and Jonathan Winawer at NYU)

Abstract:
Human visual cortex comprises many visual field maps organized into
clusters (Wandell & Winawer, 2011). Several theories have been proposed
to characterize the organization of these visual field maps. A key
theory with substantial support distinguished between maps located
relatively dorsal and those located relatively ventral (Ungerleider &
Mishkin, 1982; Goodale & Milner, 1992). According to this theory, the
ventral maps are mainly engaged in interpreting the properties of color,
form and objects whereas the dorsal maps are engaged in interpreting
spatial organization and guiding actions. In this talk, I will focus on
how dorsal and ventral maps communicate through white-matter pathways.
We combined fMRI, diffusion MRI and fiber tractography to identify the
anatomical properties of the only known candidate white-matter pathway
connecting dorsal and ventral maps, the Vertical Occipital Fasciculus
(VOF; Wernickie, 1881; Yeatman et al., 2013). The VOF is little
discussed in the vision literature, yet it may be the crucial pathway
transmitting signals between these two important streams. We used a
novel model-based method (Linear Fascicle Evaluation; Pestilli et al.,
2013 SfN) to assess the statistical evidence supporting the several
aspects of the VOF wiring pattern. There is strong evidence supporting
the hypothesis that dorsal and ventral visual field maps communicate
through the VOF. The organization of the VOF suggests that the dorsal
and ventral maps communicate substantial information through V3A/B and
hV4/VO-1. We suggest that the VOF is crucial for transmitting signals
between regions that encode object properties including form, identify
and color and regions that map spatial information.
2014/01/21I am delighted to announce that we are going to have the
following two talks by Professor Sonja Gruen from Research Center Juelich, Germany. She is a visiting professor at Osaka University, and has started an international joint research project with us since last October.

I asked her to give one talk on her own research and the other talk
on the Human Brain Project, a flagship project of European Union forthe next ten years. The second talk will be an informal one. Note that the first seminar will be held at CiNet building 1F lecture hall and the second at B1F seminar room. Everyone is welcome to attend.

Seminar 1: Spatio-temporal organization of cortical processing during complex behavior
Speaker: Sonja Gruen
(Institute of Neuroscience and Medicine (INM-6) and
Institute for Advanced Simulation (IAS-6), Research
CenterJuelich,Germany; Theoretical Systems Neurobiology, RTWH Aachen University, Germany; Osaka Unversity
Graduate School of Frontier Biosciences, Japan)
Date/time: January 30th (Thur) 16:00-17:00
Place: CiNet 1F Lecture Hall

Abstract: We aim at getting an understanding into the processing of the cortical network during natural behavior. Such a task requires a number of componentswhich I will outline in my talk and present some approaches.In order to observe network interaction it is required to observe many neurons or populations of neurons simultaneously while a subject is performing a complex task, as done by our experimental partners. The data need to be analyzed in a
trial-by-trial manner to be able to relate the time varying features of the neuronal activities to the behavior. For the identification of network interactions and their dynamics the data are analyzed for time dependent correlations between the
activities of neurons. I will present the development of such statistical methods and preliminary results of their application to massively parallel data.Intense collaboration with experimental labs and the interest in analyzing the same data by various approaches led us to start to develop reproducible
workflows and related necessary software. At our institute we combine insights from analysis of experimental data and network modeling.


Seminar 2: The Human Brain Project: Scientific Goals, Organization, Our Role
Speaker: Sonja Gruen
Date/time: February 6th (Thur) 13:30-14:30
Place: CiNet B1A1 Seminar Room

Abstract: The Human Brain Project (HBP) is one of the two flagship projects that are funded by the European Union for the next ten years. Its goal is to build a new ICT infrastructure that will catalyze a global collaborative effort to understand the human brain, its diseases and to emulate its computational capabilities. After a number of years of preparation of the proposal, the HBP was selected and started in Oct 2013 with a consortium of about 80 European institutions and international partners. In this talk I will brie y outline the scientific goals of the project, how it is organized and our role in there.
2014/01/21Dr. Andrea Benucci (RIKEN BSI)
Date: March 14, 2013, 16:00~
Place: CiNet 1F Conference Room

Title: Dynamics of population responses in the cat visual cortex

Abstract:
Information processing in the cortex is mediated by the coordinated
activity of large populations of neurons. However, the computational
rules used by neurons to process information are still poorly
understood. To address this problem I focus on the visual system,
specifically on the cat primary visual cortex (V1), where I study how
attributes of visual stimuli are processed by large ensembles of
neurons. My goal is to find a simple set of rules that describes the
encoding of sensory signals by neuronal populations under different
stimulus conditions. The experimental tools I use to record
spontaneous and visually induced activity in V1 are based on
multi-electrode recordings, voltage-sensitive dye imaging, and imaging
of intrinsic signals. A particularly successful approach has been to
describe population responses in terms of standing and propagating
waves of activity. I will discuss the implications of these results
for the rules of sensory processing and their dependence on stimulus
attributes.
2014/01/21すばらしいセミナーが目白押しです。英語でのアナウンスですが、下記ご覧ください。ご関心の方、どなたでも参加できます。

Title1:Topographic connectivity in the primary somatosensory cortex
of monkeys in 9.4T and beyond.
Speaker1: Dr. Zheng Wang (Institute of Neuroscience, Shanghai Institutes
for Biological Sciences, Chinese Academy of Sciences)

Title2: High Expectation for Ultra High Field Functional Magnetic
Resonance Imaging
Speaker2: Dr. Kang Cheng (Brain Science Institute, RIKEN)

Date / Time: Jan. 22 (Wed) / 16:30 - 19:00
Place: CiNet building 1F Conference Hall

Abstract1:
My research interests mainly focus on combining electrophysiology and
fMRI technique to study structural and functional connectivity in nonhuman
primate at different spatial scales. The presentation will start with my
previous work on 9.4T of Vanderbilt University, about the primary
somatosensory cortex (S1) of monkeys. Studies of resting state activity
in the brain have provoked critical questions about the brain’s functional
organization but, its biological basis is not clear. Specifically, the
relationships
between interregional correlations in resting state measures of activity,
neuronal connectivity and anatomical connectivity are much debated.
To investigate these relationships, we have examined both anatomical and
steady state functional connectivity within the hand representation of S1
in anesthetized squirrel monkeys. The comparison of fMRI,
electrophysiological
and anatomical results indicate two primary axes of information flow within
SI: prominent interdigit interactions within area 3b and predominantly
homotopic interactions between area 3b and area 1. These data support
a strikingly close relationship between baseline functional connectivity and
anatomical connections. This study is also the first to extend findings
derived
from large-scale cortical networks to the realm of local mm-scale networks.
In the end, I will briefly introduce our recent monkey work on 3T at
Institute
of Neuroscience in Shanghai.

Abstract2:
In this talk, I will present you with the results from three unpublished
high-resolution (sub-millimeter resolution) functional magnetic resonance
imaging (fMRI) studies conducted using a 4 Tesla MRI system. In the first
study, using both direct mapping and indirect decoding approaches, we
demonstrated that orientation selectivity in human V1 can be reliably
revealed. In particular, we found that large draining veins contribute
significantly to orientation-selective BOLD signals. These results are
strikingly surprising and invite more detailed anatomical and functional
studies of draining veins at various spatial scales. In the second study,
we manipulated the spatial resolution of fMRI data and analyzed the
geometric relationship between 1) the spatial resolution of imaging voxels,
2) the systematic increase and decrease in the proportion of
direction-selective voxels, and 3) the repetition periodicity of assumed
underlying direction-selective hypercolumns in hMT+. Using this approach,
we were able to indirectly estimate the average size of hypercolumns
for motion direction in hMT+, which was approximately 0.7 mm in the
narrow dimension. Finally, in the third study elucidating the
object-selective
responses in human occipito-temporal cortex, I will highlight the unique
advantage of doing these experiments at higher resolutions.
By presenting these preliminary results, I would like to emphasize the
potential benefit of conducting similar experiments using ultra-high-field
(7 Tesla and above) MRI systems.
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2014/01/09山中章弘先生(名古屋大学・教授)による生物工学特論BおよびCiNet/FBSセミナーが下記の通り、1月14日(火)、15日(水)に行われます。生物工学コースや生命機能研究科/脳情報通信融合研究センターでは聞くことの少ない睡眠・覚醒、オレキシン(睡眠物質のひとつ)、ナルコレプシー(睡眠障害)の話題に加えて、近年開発され神経科学の広い分野で使われ数々の重要な成果を生み出しているオプトジェネティクスについてお話いただきます。山中章弘先生は講演の名手です。セミナーのみならず、講義への院生、ポスドク、スタッフの皆さんの聴講も歓迎します。皆様のご参加をお待ちしております。

◆ 生物工学特論B
講義内容:  1、睡眠覚醒について
        2、視床下部神経回路の電気生理学的解析
        3、オプトジェネティクスの原理と応用
        4、オレキシンとナルコレプシー

日時・場所: 1月14日(火)
        13:00−14:30 (豊中)基礎工学部J棟3Fセミナー室
        14:40−16:10 (豊中)基礎工学部J棟3Fセミナー室

       1月15日(水)
        10:30−12:00  (豊中)基礎工学部J棟3Fセミナー室
        13:00−14:30 (豊中)基礎工学部J棟3Fセミナー室

◆ CiNet/FBSセミナー
日時・場所:  1月15日(水)
        16:30−17:30(吹田)CiNet棟1大セミナー室 (吹田キャンパスですのでご注意ください)

演者:     山中章弘 (名古屋大学・環境医学研究所)
セミナー内容:
「神経機能操作と運命制御を用いた本能行動を調節する神経回路の解析」 本能行動は、全ての神経回路が保存された丸ごと個体でのみ発揮される。これまでインビボにおいて特定神経の活動を人為的に操作することが出来なかったために、本能行動がどのようにして調節されているのかについては十分分かっていなかった。近年開発され発展著しい光遺伝学をはじめとする、特定神経の活動操作技術の出現によって、丸ごと個体を用いて本能行動を制御する神経回路の研究が可能となった。本セミナーでは、様々な神経細胞に同手法を適用するのに有用な各種遺伝子改変マウスの作成や、それらの遺伝子改変動物を用いて実際に神経活動操作を行い、行動制御によって神経回路機能と行動発現機構について明らかにした最近の研究について紹介する。

References
Tsunematsu T, Tabuchi S, Tanaka KF, Boyden ES, Tominaga M, Yamanaka A (2013) Long-lasting silencing of orexin/hypocretin neurons using archaerhodopsin induces slow-wave sleep in mice. Behavioural Bain Research, in press.

Tanaka K F, Matsui K, Sasaki T, Sano Hiromi, Sugio S, Fan K, Hen R, Nakai
J, Yanagawa Y, Hasuwa H, Okabe M, Deisseroth K, Ikenaka K, Yamanaka A Expanding the repertoire of optogenetically targeted cells with an enhanced gene expression system. Cell Reports 2(2):397-406, 2012.

Tsunematsu T, Kilduff TS, Boyden ES, Takahashi S, Tominaga M, Yamanaka A
Acute optogenetic silencing of orexin/hypocretin neurons induces slow wave sleep in mice. J Neurosci 31:No.29, 10529-10539 (2011).

Yamanaka A, Beuckmann CT, Willie JT, Hara J, Tsujino N, Mieda M, Tominaga M, Yagami K, Sugiyama F, Goto K, Yanagisawa M, Sakurai T Hypothalamic orexin neurons regulate arousal according to energy balance in mice. Neuron 38: No.5, 701-713 (2003).
2013/12/06◆ 生物工学特別演習という学部3年生向けの課題探求型授業で作成した錯覚のビデオが、第5回錯視コンテストで入賞しました。今週末に金沢で授賞式です。3つのビデオのうちの一つをYoutubeにアップしました。素敵ですよ。お楽しみください。こちら

◆◆ 先日、収録したみのおエフエムの告知が、21世紀懐徳堂のウエブサイトにでました。
2013/12/05◆ 両眼立体視において2種類の異なる計算過程(両眼相関計算と両眼対応計算)の両方が知覚判断に直接に関与していることをこれまで私たちは主張してきたが(Tanabe et al., 2008,; Doi et al., 2011)、さらに、その証拠を一つつけ加えた論文がオンライン出版された。Doi, Takano, Fujita (2013) Temporal channels and disparity representations in stereoscopic depth perception(pdfはこちら)。この一連の研究は、本研究室で生まれた新刺激パラダイムにより生まれた自信作。

◆◆ 厳寒のドイツ、ケルン、ユーリッヒ、アーヘンを回り、ドイツ、チリの共同研究者たちと議論をしてきた。年に2度のこの会合は日本とドイツでそれぞれ行うが、共同研究の推進にとどまらず、さまざまなことを学ぶ。最後の夕食時に私の前にすわったブラジルの青年は、ポルトガル語、スペイン語はもちろん、英語、ドイツ語、イタリア語を流暢に話し、その言葉の使い方と会話の楽しみ方を見て、おおいに刺激を受けた。出発の朝、まだほの暗い中、ホテルの横の市場で、大きなチーズの塊とスモークのウナギ(Räucheraalグーグルから写真の数々)2匹を購入。帰りの機中では、Songs for Marrionとい映画を観たが佳作。実り多い旅だった。

◆◆◆ 一昨日は、FM箕面の録音。1時間、阪大の学生3名と語り合う。番組の中で、私が持参するCDから3曲音楽を流すというのを前日になって知らされ、大慌てで選曲。1曲目はJack JohnsonのConstellations、アコースティックな曲。実を言うと、ほんの数日前に初めて知って気に入った曲。2曲目は由紀さおり、Pink MartiniによるIs that all there is?これは3週間前にサンディエゴに出張したときの機中で知った曲。火事、サーカス、男、人生に対して、「こんなもんなの?(Is that all there is?)」とつぶやく女の人生を歌う。あまりのすばらしさにサンディエゴ到着までに10回以上も繰り返して聞いた。3曲目は、Stevie WonderのSuperstition。これは、脳ブームの迷信について話をしたため、選んだ曲。高校3年生の今頃、勉強の合間によく聞いたっけなあ。実にクールな曲なんだが、これを歌っているStevieは22才だったと昨日知り、なんだか驚く。当時17才だった私とほとんど年が変わらんじゃないか。
2013/10/29◆ 27日の日曜日、秋晴れ。K、S、S3氏と五月山ー箕面山の縦走。紅葉にはまだ早く、山中ですれちがう人は少ないが、。箕面の滝道はもちろんたくさんの人々が歩いていた。カラマツソウが何箇所かで咲いていた。アサギマダラが優雅に谷間を舞っている。山道の肩の部分が何十箇所も掘り起こされている。イノシシがミミズを求めて掘ったのだ。その数に驚く。相当な数、いる。僕はまだ野生のイノシシにであったことがないのだが、この感じだとこの秋冬には初対面を果たすことになりそうだ。15−16km歩き、当日と翌日はがくがくになったが、今日は、体のすみずみに油をさしたような爽快感があり、仕事がはかどる。

◆◆ 佐々木閑氏の名著「犀の角たち」(大蔵出版)が文庫本となり、「科学するブッダ〜犀の角たち」(角川ソフィア文庫)として出版された。今度のサンディエゴ出張にたずさえて、久しぶりに再読しよう。
2013/10/18◆ 査読者と熱く深い議論を戦わしたTemporal channels and disparity representations in stereoscopic depth perceptionがJournal of Vision誌に受理されました。査読者とのやりとりの過程での筆頭著者TD君の対応には、とても学ぶものがありました。両眼立体視の脳内過程には2つの計算過程(両眼相関計算と両眼対応計算)があり、それぞれが、両眼視差の大きさにつれて奥行き知覚への貢献度を変化させるという前報告に引き続き、本論文では、初期視覚系における2種類の時間フィルターチャネルがそれぞれ、両眼相関計算と両眼対応計算に選択的に入力信号を与えていることを示しました。両眼相関計算と両眼対応計算が、「階層的に行われる1つの計算過程の2つの段階」ではなく、「2つのパラレルな過程である」という考えを支持する非常に重要な結果です。さらに、この一連の研究の際にわれわれの前に立ちふさがっていた大きな疑問(本研究室初代卒業生のTU君より指摘された)があったのですが、それも解決しました。下に示す不思議でかわいい動画、これがなぞ解明の鍵でした。TD君が独自に考案した、すばらしい刺激(の模式図)です。この研究は第三部へと続きます。
2013/10/17◆ KI君を中心にして行ったサルの一次視覚野の機能構築を2光子顕微鏡で調べた研究がJournal of Neuroscienceのオンラインに掲載された。こちらあるいはこちら。ロンドンにいたKKさんとメールをやりとりしながら、サルに適用できる2光子顕微鏡を設計し、科学技術振興機構CRESTの資金援助を受け、300万円の防振台をクレーンでつってJ棟2階の実験室(O教授にスペースを貸してもらった)に搬入し、アメリカからP社の社長と副社長(社員はこの2人と秘書しかいない会社)が飛んできて、ン千万円の2光子顕微鏡とレーザーをセットアップをした日から何年の月日が流れただろう。いろんな苦難や予期せぬことを乗り越えて、とにかく、今日にたどりついた。多くの方々の支援と、われわれの根性で。

◆◆ などと、ほとんど涙ぐみそうな感じで感慨にふけっていたところへ、修士2年RT君が学術振興会DC1に内定したとのニュースが飛び込んできた。おおおおー。めでとー。
2013/08/07◆ 視覚科学フォーラム終了。当研究室のH、S、Tの3君による発表、評判良かった。多くの人にコメントをもらうことができ、研究を前に進めるヒントを多く得たことは何より。

◆◆ S氏と二人で武奈ヶ岳を登山。ちょっと予想以上に時間がかかり、下山は17時。16時半ごろから天気急変し豪雨。水の中を歩いているようなものだった。山はやはり15時には降りておくに限る。S氏が、山中で、タマゴダケを発見。真っ赤なキノコ3本が絵本のように並んでいた。初見。その他にも多数素敵なキノコを目撃したが、同定待ち。

◆◆◆ 先週より、生命機能若手夏の合宿に来ているチリからの訪問学生たち4人とようやくゆっくり話すことができた。午前中、下のロビーで彼らの研究の話をポスターを見ながら聞く。
2013/08/03◆ 明日は、医学部のS氏と比良山系武奈ヶ岳に登る。その後、琵琶湖半で温泉と食事、それから草津へ向かう。明後日から立命館で開かれる視覚科学フォーラムに参加する。本研究室から3題の発表。3人の学生とも学会初発表。
2013/08/03◆ しまったあ!昨日は下記のセミナーがある日だったのに、すっかり失念して、出るのを忘れてしまった。直前に届いたメールに対応していて、気づいたときには終わってしまっていた。

Time: August 2 16:00-17:30
Place: Cinet 1F seminar room
Neural mechanisms of context-dependent altruism
Yosuke Morishima
University Hospital of Psychiatry, University of Bern

Human altruism has a unique feature among animals. It goes beyond
genetically unrelated individuals and shows huge heterogeneity among
individuals. In my previous study, I demonstrated that the gray matter volume in TPJ reflects the inter-individual variation of altruism. However, structural differences do not tell when and how altruistic acts are taken. In addition, altruistic acts are driven by various motivations, such as empathy, reciprocity and social norms. I therefore investigated neural mechanisms underlying context-dependent altruistic decision making processes. First, I have examined brain regions involved in altruistic acts independent of contexts and found that the anterior
insular cortex is active when altruistic action is taken. In addition, depending on the decision contexts, other brain areas are also recruited during taking altruistic acts. Connectivity analysis has revealed that the anterior insular cortex drives the context-dependent areas. These results suggest that the anterior insular cortex serves as the center of altruistic behavior by orchestrating other brain areas.

◆◆こっちは出るのを忘れないようにしよう。

talk titled "Natural statistics of self-generated sounds in primate auditory system using MRI-guided electrophysiology."

Date&Time August 9 Fri 14:00-15:30
Place Cinet G1 Seminar room

Natural statistics of self-generated sounds in primate auditory system
using MRI-guided electrophysiology

Yukiko Kikuchi, Ph. D.
Institute of Neuroscience, Newcastle University Medical School

The brain is equipped with a system that can incorporate the external world. The statistics relating to natural signals are known to share many similarities to those of our own physiological signals, such as heart rate, neuronal firing rates and brain oscillations. Interaction between the brain and the external environment facilitates the emergence of new capacities and novel behaviours due to optimisation of the brain's systems. I will investigate the interaction between the neuronal responses and regularities observed in external natural auditory signals, particularly self-generated sounds such as vocalisation, speech and music. In this talk, I will use a primate model system to demonstrate and discuss the cortical representation and pathways of prominent features observed in natural sounds, e.g., rhythm, pitch and voice, and how interaction between the cortical system and natural sounds can
influence our behaviours.
2013/07/31◆ 「どきどき斎塾」という勉強会やら飲み会やらを活発に行っているグループに誘われて、9月27日に、セミナーと飲み屋で雑談という会(遊学会と言うらしい)に参加させてもらうことになりました。
2013/07/26◆ 昨日、「生物科学概論A」最終回のため、豊中キャンパスへ向かう途中、万博道路を走っているところで異音がする。「タイヤのところに何か挟まったかな」「変だな」と思いつつ、中央環状線に入ったところで、タイヤがバースト。事務室へ電話を入れ、授業1時間前になってしまっているが、急きょ、休講の知らせを受講者の携帯へ入れてもらった。炎天下の中、ロードサービスの到着を待っているところを知人2人に目撃されていた模様。心配のメールをいただいた。

◆◆ ネコアレルギーのメカニズム解明が一歩進んだとのこと。ありがたい。
2013/07/18◆ 本日、下記のセミナーがあります。

第90回生命機能研究科研究交流会
2013年7月18日 14時半ー16時半
大森治紀 (京都大学)「聴覚神経情報処理の細胞メカニズムおよび測光電極の開発と応用」
竹内浩子 (大阪大学)「神経ナノプロセスの実時間測定」
生命機能研究科ナノバイオロジー棟3階セミナー室

◆◆ 7月23日(火)、下記のセミナーがあります。
2013年7月23日15:00−16:30
吉原基二郎(マサチューセッツ大学医学校神経生物学科)
「シナプス可塑性と記憶を結ぶショウジョウバエ摂食コマンドニューロン」

私の研究室では、記憶の素過程を理解することを目的として、単純なシナプスモデルであるショウジョウバエ神経筋接合部(neuromuscular junction; NMJ)と、行動の変化として記憶に直接関係づけることのできるショウジョウバエ成虫の摂食行動を司る神経回路中のシナプスを、両者を比較しながら研究している。日本のコンソーシアムによって確立されたショウジョウバエGal4挿入系統のcollectionであるNP lines(Yoshihara and Ito, 2000, DIS)を行動スクリーニングすることによって、活性化すると摂食行動を引き起こすコマンドニューロン、"Feeding (Fdg) neuron"を発見した(Flood et al., 2013 Nature)。Fdg neuronは摂食行動神経回路の要に位置すると考えられるので、 行動観察とlive imagingや電気生理学的解析を同時に行う目的で新しく開発した実験系(Yoshihara, 2012 JoVE)を用いて、パブロフの条件反射をFdg neuronに入力するシナプスの変化として研究できることを期待している。NMJのシナプス可塑性に関するこれまでの知見(Yoshihara et al., 2005, Science 310: 858-863)を作業仮説として、このFdg neuronでのシナプス可塑性を行動の変化とともに詳細に解析することによって記憶形成のメカニズムに迫ろうと考えている。
2013/07/17◆ 来年(2014年)の7月28日から8月1日にかけて、国際ニューロエソロジー学会と日本比較生理生化学会の合同学会(2014 ICN/JSCPB)が、札幌で開催される。この学会は、動物の自然行動(生得的な行動)の脳内メカニズムを研究している人たちが主に集まる、質の高い、かつ、参加してわくわくするような国際学会である。自然行動でない行動を対象にしている人たちも大歓迎。1986年の東京上智大学における第一回大会以来、28年ぶりの日本での開催。当時、大学院生やポスドクとして参加し胸躍らせた人々が、今や50才台半ばとなっている。素敵なしかけをたくさん作ろうとしており、多くの方たちの参加をお待ちしている。会の詳細やニュースはこちら
2013/07/11◆ 7月7日、早朝、新大阪に向かって車を走らせている時に、去年より一週間遅くクマゼミの初鳴きを聞く。夕方、S氏と京都のホテルオークラの前を歩いていると、クマゼミの幼虫が街路樹下の土から舗道の方へ出てきているのを救出。本日、11日、吹田キャンパスでもクマゼミ合唱始まる。今年は豊中ではなく吹田で聞くのか。万博公園の森がすぐ眼の前のこの建物。おおいに楽しめるかもしれない。

◆◆ 翌朝、S氏よりメール。S氏宅の庭で、土より出てきたものの羽化できずに弱っているクマゼミの幼虫が5匹もいたとのこと、何か変ではないかという。例年、メモをとっているが、今年は明らかに発生が遅いか少ないかのどちらかだと返信。

◆◆◆ 7月14日、国際ニューロエソロジー学会の準備委員会で姫路へ。昆虫の視覚を研究するA氏と久しぶりにあう。姫路城を歩きながら、「関西の夏というとクマゼミの声だけど、今日は聞こえないね」と氏が言う。するどい。先週から気にしていたことを話す。

2013/07/04◆ 卒業生田辺誠司君の総説論文がNeuroscience Researchに出ました。pdfはこちら。2012年度日本神経科学会奨励賞受賞の招待論文です。insightに富んだすばらしい論文です。
2013/07/01◆ 本研究室出身の生命機能研究科博士課程修了者である小竹康代さんのインタビュー記事がgooニュースの「理系若手人材が活躍する企業」に、就職先オムロン株式会社を代表して掲載された。卒業生が、このように頼もしくキャリアを積んでいっていることを、この上なく、嬉しく思う。こちら。けっこう、生意気なことも言っていて、おもわず、プッと噴出した箇所もある。この調子で、頑張って。背のびをする子は背がのびる。(2013/07/01)

◆◆ CiNetで以下の2つのセミナーがあります。
We are very pleased to have a seminar by Yuka Sasaki and Takeo Watanabe from Brown University. Everybody is highly welcome to attend.

Date / Time: 4th July 2013 / 1:30 pm - 3:30 pm
Venue: CiNet building 1F Seminar Room
○Talk 1 White matter in the older brain is more plastic than the younger brain
Prof. Yuka Sasaki (Department of Cognitive, Linguistic and Psychological Sciences (CLPS), Brown University)
○Talk 2 Perceptual learning with younger and older people
Prof. Takeo Watanabe (Department of Cognitive, Linguistic and
Psychological Sciences (CLPS), Brown University)

◆◆◆ 生命機能研究科で以下のセミナーが予定されています。
【日時】 7月16日(火)13:30~15:00
【場所】 ナノ棟3階セミナー室
【講演者】  安部健太郎
【所属】 京都大学大学院医学研究科生体情報学講座 科学技術振興機構 さきがけ
【タイトル】 動物の音声コミュニケーション能力の神経機構の解明へ向けて:鳴禽類を用いた研究アプローチ
【要旨】生物の遺伝情報としてはDNAなどの物質が重要であるが、ヒトなどの種では、家族や社会を通じて受け継がれる「文化」や「言語」などの情報も遺伝すると考えることができ、このような世代を超えた情報の蓄積が、現代人類の爆発的繁栄をもたらしていると推測される。我々は、ヒトと同じように生後に音声コミュニケーション能力を発達させる鳴禽類(鳥類スズメ亜目)を用い、世代を超えた非物質的情報の個体間伝達を可能にする神経機構を明らかにする試みを行っている。本セミナーでは、ヒトと鳥類の音声コミュニケーション能力の違いについて議論するとともに、鳴禽類の音声コミュニケーションに使用される「さえずり」を生成・受容する脳内のメカニズムについて、我々の研究で明らかにした最新の知見について紹介したい。
2013/06/28◆ 今日は下記のセミナーがある日だった。Keir Pearsonは1985年に、私がCold Spring Harbor Summer Schoolに参加したときのコース主催者の一人だった(あとの2人は、Eric KandelとJack Byrne)。3人の中ではもっとも若く、ぴちぴちしていたが、それでも当時40才にはなっていたんではないだろうか。30年ぶりに会いたいと思っていたのだが、午後、やらなくてはならないことや会わなくてはならない来訪者があり、断念。

Title: Neural control of walking
Speaker: Professor Keir Pearson
(Department of Physiology, University of Alberta Edmonton, Canada)

日時  :6 月28 日(金)午後3 時から2 時間程度
開催場所:大阪大学工学部電気系 E6-111

Abstract:
 In this talk I will review our current understanding of the neural control of walking
in mammals. I will begin by discussing the organization and functioning of pattern
generation networks in the spinal cord, emphasizing the importance of sensory
feedback in regulating the stepping cycle. Sensory feedback from muscle
proprioceptors is used to control the timing of the major phase transitions in
stepping, and to control the magnitude of ongoing motor activity within a single
phase. For example, in the walking system of the cat positive feedback from force
sensitive afferents in the ankle extensor muscles contributes significantly to the
activation of load bearing muscles. Furthermore, the transition from stance to swing
depends on a reduction in force in ankle extensor muscles near the end of the stance
phase. The use of neuro-mechanical simulations to test specific hypotheses about
the neuronal and mechanical events underlying stepping will be discussed.
In the second part of the talk I will discuss neuronal mechanisms for obstacle
avoidance during walking. Obstacle avoidance depends primarily on visual signals
guiding leg movements in an appropriate manner, and it is mediated in part via
neuronal networks in the parietal cortex. Furthermore it often requires the storage
of environmental information in short-term memory to later control leg movements.
I will describe a unique form of short-term memory in the walking system of the cat
that can accurately guide leg movements many minutes after an obstacle has been
perceived. Single unit recordings from neurons in the parietal cortex have identified
neurons that may be elements of this short-term memory system, and involved in
representing obstacle location relative to the moving body. I will end by describing
the results of two recent studies that indicate the existence of a similar
short-term memory system in walking humans.

◆◆ 先日つかまえたヤマトタマムシを某所のケヤキの大木にそっと放すと、あっという間に、羽を広げ、青空に向かって飛び去っていった。頑張って生き延びて、配偶者を見つけ、子孫を残してほしい。
2013/06/25◆ 来る8月19日(月)〜20日(火)に生命機能研究科の夏のオープンキャンパス(ラボツアー)「おもろい研究!君ならできる、ここでできる」が開催されます。全国の大学生の参加者100名を募ります。各研究室での研究体験、教授・大学院生とともにサイエンスについて語る討論会や交流会を企画しています。また、これに先駆け、ホームページ上で「virtual 夏の学校」を開校します。どの様な研究体験ができるか?サイエンスへの問いかけ?議論のテーマなどについて、皆さんと自由に意見交換します。これらの意見により「夏のオープンキャンパス」実行プログラムをつくります。

 全国のやる気のある大学生のみなさん、ぜひ参加を。詳細はこちら

◆◆ 第7回学生主催若手合宿研究交流会が7月29−31日に開催されます。この会は、大学院生主催で開催される合宿で、生命機能研究科の理念である「異分野融合」 の推進と、これを担う人材の育成を視野に入れ、学生・若手研究者での研究交流を目的としています。教授の参加は禁止されており、企画、運営、交渉すべてが大学院生によりなされています。第7回となる今回は「pioneer yourself pioneer new field」 がテーマです。昨年度までは生命機能研究科の学生がほとんどでしたが、今年からは情報科学研究科、基礎工学 研究科からも参加者を募ります。また、例年本研究科だけでなく、名古屋大学や海外からも参加者を募っており、さまざまな学術領域の学生・若手研究者が研究 交流を図ることで、「異 分野融合を通じた『おもろい』研究」につながる場 の提供を目指しております。 また、海外からの参加者がいるため、合宿全体を通して英語を使用します。詳細はこちら

◆◆◆ 来る9月20日に、生命機能研究科「第11回研究教育交流会」を開催いたします。研究科全体の研究交流を深めることを目的として、全研究グループ(基幹講座、特別研究推進講座・協力講座、連携分野、兼任教員・客員教員・招へい教員研究室など)が参加する催しです。来年度新入生となられる皆さんも、ふるってご参加下さい。(注:研究科内行事のため、外部の方は参加できません)詳細はこちら
2013/06/25◆ 先週は、19日より日本神経科学会に参加。学会に参加していながら、会期中に開かれるさまざまな会議に出席しなくてはならないため、学問に集中できず、いやになる。雨があがった土曜日、会議場の庭園に出てみたところ繁みの中から警官が2人現れた。若いころはこういう時、必ず不審尋問されたものだが、最近はそういうことも起きない。こんなところに警官がいるということは、皇室がらみかと思ったら、案の定、次の日から同地で開催される国際生物学的精神医学会の開催式に、天皇皇后両陛下がご臨席とのこと。そして、今日(25日)は、豊中キャンパスに行幸されるとのことで、交通規制が始まる前に私は吹田キャンパスから豊中に移動、10時半からの授業に備えた。

◆◆ 16日、日曜日。霧の六甲山を医学研究科のS氏、S氏と三人で歩く。コアジサイ、エゴノキ、ヤマボウシ、サルナシが満開(秋にはサルナシの実を取りにこよう)。ホトトギス、ウグイスの声が途切れることなく聞こえ、アサギマダラ、ヒオドシチョウ、テングチョウ、アカシジミ、ウスイロオナガシジミ、オナガアゲハ、ナガサキアゲハが舞っている。キイチゴを摘んで口にしながら歩く。久しぶりのリフレッシュ。三人ともおおいに楽しみ、意気があがり、29日には、S氏ご子息Y君とK名誉教授を加えて、昨年雨で流れた御在所岳に行くことになる。

◆◆◆ 今週は3日連続で講義。「動物実験倫理講習」「現代の脳科学」「生物科学概論」と対象も内容もまったく異なる。「現代の脳科学」を今日終えた帰り道、共通教育棟から駐車場に向かうのに、小雨の中を基礎工学部の建物内を通って歩くかそれとも建物裏の道を歩くを迷ったが、外を歩くことにした。小雨がほおにあたって気持ちよかった上に、すごいボーナスが!アスファルトの上に、ヤマトタマムシが歩いていたのだ。おーっ、久しぶり。10年ぶりくらいかも知れない。少し小ぶりの個体。てのひらの上でかわいらしく歩く。車のCDケースに入れて持ち帰ってきた。(2013/06/26)
2013/06/13◆ 今週土曜日は、西宮ガーデンズNHKカルチャーセンターにて、「脳が心を生む〜認知脳科学への誘い〜」を話します。13:00からです。詳細はこちら

◆◆ 先々週の週末、2日(日)には、フクロウの幼鳥を能勢で見た。先週後半は、日独共同研究プロジェクトの会合で京都に滞在。体不調気味。10日(月)はCiNetシンポジウムで東京。たくさんの方が来ていた。

◆◆◆ (元)学生や共同研究者から論文の原稿が集まってきて、机の上にあるのだが、じっくりと座って読む時間が取れない。ようやく、机に戻ってくる頃には、なけなしの体力が使い切られていて、15分も集中できずにいる。困った。共著者の皆さん、ご迷惑をおかけしています。
2013/06/04◆ 「第3回脳情報通信融合研究シンポジウム」のご案内

来る6月10日、東京国際フォーラムにおいて、「第3回脳情報通信融合研究シンポジウム」を開催いたします。脳科学と情報通信技術の融合によりもたらされる次世代情報通信の研究の現状についてご紹介します。本日まで、申込みが以下のウエブサイトで可能です。
https://www.d-wks.net/nict130610/form/

私(藤田一郎)を含めた脳情報通信融合研究プロジェクト関係者に加えて、宮下保司さん、池谷裕二さんがゲストスピーカーとして講演します。詳細はこちら

◆◆◆ 第3回脳情報通信融合研究シンポジウム ◆◆◆
◆◆◆  〜 脳科学で拓く次世代情報通信 〜  ◆◆◆

○日 時  平成25年6月10日(月)13:00〜18:00(受付12:00より)
○会 場  東京国際フォーラム ホールB5
○定 員  400名(先着順)
○参加費  無料(要事前登録)
○参加申込 https://www.d-wks.net/nict130610/form/
○主 催  脳情報通信融合研究センター(CiNet)
      独立行政法人情報通信研究機構(NICT)
      国立大学法人大阪大学
      株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
○共 催  大阪大学「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム」
○お問い合わせ
 シンポジウム事務局
 株式会社ディーワークス内
 TEL:03-5835-0388 FAX:03-5835-0296
 E-mail:nict@d-wks.net
2013/05/28◆ NHKラジオ第2放送の文化講演会(6月16日 日曜21:00-22:00;再放送6月22日 土曜6:00-7:00)で、佐々木閑さんと4月に行ったトークセッション「脳科学と仏教の対話〜変えられる自分と変えられない自分」が放送される。錯視や2光子イメージング映像など動画を多用したトークが、どのようにラジオ番組になりうるのだろう。また、2時間のセッションが1時間の番組になるのだが、どこがセレクトされ、どこがリジェクトされて半分に圧縮されるのだろう。(2013/5/28)

◆◆ ははーん。ついに見つけたぞ。4月にこの新棟に入ったときから、前庭の灌木にシジュウカラがいて、どこかに巣をつくっているに違いないと思っていた。しかし、用心深くて、私が見ていると巣には戻らず、どこかに飛び去ってしまう。つがいで見ることもなく、いつも一羽ずつしか見ていないので、巣をまだ作っていないのかなとも思ったりもした。今日、1階ラウンジでランチをたべながら、窓越しに5月最後の青空と太陽を楽しんでいたら、屋内に私がいることに気づかずに、いつものシジュウカラが某所の穴にすっと入っていった。油断したね。(2013/5/31)
2013/05/23◆ 今朝6時、庭や塀外の花壇や木々に水をやる。1時間して、大学へ出ようとしたところ、何と、花壇にアサギマダラが飛んできていた。晩夏から秋に出会う山の蝶である彼に、初夏のわが家で出会うとは。しばらく見とれていた。(2013/05/23)

◆◆ 卒業生S君から昨日来たメールに志賀昆虫店のことが書いてあった。ショウジョウバエの研究を始めたのを機会に、身近にいる他の昆虫にも目を向けてみるそうだ。これはすばらしいことだ。毎日の生活が、人生が、さらに豊かになるよ。さて、志賀昆虫店だが、この店は、渋谷から青山方面へ行く道の側にあって、その隣にある児童科学館(?)と合わせて、私は小学生時代から通っていた(中学に入ってからは学校の帰り道)。大学に入ってから足が遠のいたが、1990年ごろ、昆虫採集を再開しようと思い、15年ぶりに志賀昆虫店に行ったところ、私が小学生の頃に見たそのままに、店主の志賀夘助さんが店頭に立っておられた。夘助さんは数年前に104才で亡くなり、店も今は渋谷にはなく、戸越銀座へ移転した。「日本一の昆虫屋ー志賀昆虫普及社と歩んだ百一歳」(文春文庫PLUS)という本が出ている。(2013/05/24)

◆◆◆ 昆虫の活躍する季節だ。虫ネタ3題目。日曜日(5/26)には、庭にコミスジがやってきた。毎年、この時期に庭にやってきて、数週間滞在する。箕面の山の渓流沿いには、無数のカワトンボが飛んでいる。もう少しすると、庭にオハグロトンボがやってくる。彼(彼女)も一度やってくると数日は滞在して、楽しませてくれる。
2013/04/18◆ ご無沙汰していました。はっと気づいたら1か月経っていました。この間に、私たちの研究室は豊中キャンパスから吹田キャンパスに引っ越し、桜が咲き、そして散りました。フキノトウを摘み、ツクシを摘み、イタドリをいただき、タケノコを掘りました。新学期が始まり、新4年生がどさっと入ってきました。今は、脳情報通信融合研究棟というすばらしい建物にいます。新住所は以下の通りです。メールアドレスは以前と変わりません。

〒565-0871 吹田市山田丘1−4
大阪大学大学院生命機能研究科
      脳情報通信融合研究センター2B1-2
      電話&FAX (06)6879-4439

◆◆ 2007年に出版した「『見る』とはどういうことか〜脳と心の関係をさぐる」(化学同人)が、「脳はなにを見ているのか」(角川ソフィア文庫)として改題文庫化されました。4月25日発売開始。

◆◆◆ 今度の日曜日に、佐々木閑氏と「脳科学と仏教の対話〜変えられる自分と変えられない自分」というトークセッションを行います。詳細はこちらあるいはこちら。200人の会場ですが、昨日までにすでに290人の申し込みがあったそうです。私達の前の回では作家の高村薫さんが、その2回前には、ベニシア・スタンレー・スミスさんが話していて、お二人のファンである私としては、同じ会で話すことができるのはとても光栄。これも佐々木さんのおかげです。佐々木さんとのこのような会はこれで4,5回目(たとえば、これとかそれとかあれとかこんなの)ですが、私は仏教についてまったく素人ですので、いつも通り、脳や視覚に関する話題を中心に話します。原始仏教(釈迦の仏教)においては、「自分や世の中を正しく見る」ことの重要性を謳っているそうですが、「自分が思うほどには自分を知ることはできない。脳はそのようにできている」ことを示すつもりです。「変えられない自分、私が知らない自分がいること」、「私が脳を操るのではなく、脳が私を操るのだということ」を理解することはきっと私たち人間を謙虚にするだろうと思います。これまたいつも通り、私のトーク中に佐々木さんがシナリオなしで乱入します。この会の様子は、6月16日に、NHKラジオ第2放送で放送されるということですが、放送にたえる話になるだろうか・・・なんて、3日後に話す予定だというのにひとごとのように思うのでした。

久しぶりに書いたら、デスマス調になってしまった。
2013/03/19◆ 「芸術と脳:絵画と文学、時間と空間の脳科学」(近藤寿人編、阪大リーブル)が出版された。国際高等研究所で語り合った脳科学者、美術史家、仏教研究者、文法学者、絵巻物専門家などなどが、芸術と脳に関する話題を寄稿しあったもの。発生生物学者近藤寿人氏が、素晴らしい構想力で、この多様な話題を一つの本に結実させた。私も2つ寄稿させてもらった。まだ、手元に届いておらず、他の方の章を読むのが楽しみである。

1章 平安朝物語における時間の階層と語り手の多様な位置(山本登朗)
2章 歴史叙述・時間・物語 
   ―歴史はどのように書かれてきたか―(小倉孝誠)
3章 時空間記憶と夢の仮説(小倉明彦
4章 仏教の時間論(佐々木閑
5章 名前を「見る」と文字を「読む」−錯覚の解釈学−(手島勲矢)
6章 絵巻の時間と空間の表現(若杉準治
7章 造形芸術と時間−古代南アジアの説話浮彫を中心に−(肥塚隆)
8章 絵画の根源をめぐって(岡田温司)
9章 色と質感を認識する脳と心の働き(小松英彦)
10章 世界は脳が見ている(藤田一郎)
11章 女の身体と男のまなざし(小倉孝誠)
12章 自閉症から見る世界(北澤茂
13章 頭の中サイン、コサイン(大澤五住
14章 三次元世界を見る(藤田一郎
15章 見続けるということ(佐藤宏道
結びにかえて 新しい芸術がはじまるとき(近藤寿人)


◆◆ 新棟への引っ越しがいよいよ間近になってきた。このところ、毎日、毎日、梱包に明け暮れ、疲労困憊気味。用事がこなしきれずに、どんどんたまっていく。みなさん、ご迷惑をおかけしています。
2013/02/27◆ 全国の大学学部3年以上および大学院修士課程・博士前期課程の学生を対象に、「脳情報通信融合研究センター(CiNet) スプリング スクール」を大阪大学吹田キャンパスにて開催致します。皆様奮ってご参加ください。CiNetは、最先端の脳計測機器や実験装置を備え、多様な学部や学科の背景を持つ研究者があつまる融合研究センターです。私達は、4月より、このセンターで研究活動を行います。このスクールでは、CiNetで行われている研究と将来への展望について、実際に研究に携わるメンバーたちが解説します。引っ越し中ですが最先端の脳活動計測装置等の見学の機会もあります。奮ってご参加ください。

CiNet Spring School 2013 -- 脳科学を情報通信に活かす
開催日時: 2013年3月12日(火)13:30 ~ 13日(水)16:00
会場:大阪大学吹田キャンパス CiNet棟 1階 大会議室 他
詳細はこちらをご覧ください。

◆◆ 2月23日、土曜日。パサデナ市内のヤシの木の向こうに、ウイルソン山が雪をかぶっているのが見える。そう言えば、そういうこともあるんだっけなと久しぶりに思い出した。さっそく車で向かってみたが、頂上にある天文台まで5マイルのところでスノータイヤでないと通行不可との表示。仕方ない、ここまでだ。鳥でもいないかなと、道脇に車を止めて、渓谷を覗きこんでみると、下の方の木の茂みの中に2人の男性が立っていて、こずえを指さしたり、手を目の上にかざしたりしている。明らかにバードウオッチング中。ここにも物好きがいるなあと、よーっく、彼らを見てみると、なんと!!ジャック・ペティグルーアンディ―・モイセフではないか。大声をあげて呼んでみたが、声は届かなかった。
2013/02/04◆ 先日、見知らぬ学生が訪ねてきて、人生相談にのった。基礎工学部の一年生だが、自分が最近興味が持てるのは、社会学とか国際交流とかの文系科目や文系話題ばかりで将来どう進んでいくか悩んでいるということだった。あまり、中身のある助言を与えることができずにいると、「これは読んでおくべきという本を1冊教えてください」と聞いてきた。本なんて山のようにあるし、おもしろいものを自分の嗅覚を頼りに読みひろげていくしかないよと、これまた、あまり助けにならない返答をしかけたところで、「おっ、1冊、君にぴったりの良い本があるゾ」とひらめいた。本棚から「犀の角たち」(佐々木閑、大蔵出版)を取り出して表紙を見せると「とびらのかどたち?」と読んだので大いにずっこけた。ところが、「さいのつのたちだよ」と言うと、「仏教の経典にでてくる犀の角の話ですか」と言うので驚愕した。スッタニパータを知っているのだ!中学時代、仏教系の学校に行っていたとのことで、釈迦の生い立ちや、大乗仏教と釈迦の仏教の違いなども5年前の私よりはずっと良く知っていた。著者である佐々木氏行きつけの京都の某バー(村上春樹氏も来るとかいう)のマスターは、「くずのかどたち」と称して、酔客に売りつけているという。本書は物理学、数学、進化論などの発展の歴史と原始仏教の思想を解説して、科学と原始仏教の興味深い共通点を指摘した本で、アルコール片手に読むことができる本ではない(いや、できるナ)。つい先日、この「犀の角たち」の第二部とも言うべき「仏教は宇宙をどう見たか〜アビダルマ仏教の科学的世界観」)(佐々木閑、化学同人)が出版され、御恵贈いただいた。この2月の超多忙シーズンが過ぎたところで、腰を据えて読もう。

◆◆ 1月29ー31日、新学術領域研究「質感脳情報学」の班会議に出席。楽しく、たくさん勉強ができた。A君が発表した大きさ知覚に関する研究に対していくつかの有益な助言とはげましを得て、今後の進展に大きなモーメントをもらった感じだ。会議が両国で開かれたので、高校時代に相撲を2,3回見に行って以来(輪島、先代貴乃花の頃)何十年ぶりかに当地を訪れた。ホテルの窓からはスカイツリーが目の前に。21階から見る街並みは意外なほど整然としている。昭和20年3月の大空襲で焼け野原になった後に、町が再興したからか。ホテルの前の、明治42年創業の店でたい焼きを買い、おいしいカツ屋で昼食をとった。早起きして、近所を散歩すると、見るべき良いものがいっぱいだった。

◆◆◆ 昨日の日曜日、長岡天満宮を初めて訪れたところ、境内で植木市と古本市をやっていた。山野草の良いものがないかと思ったが、気をそそるものはなかった。後者には、段ボールひと箱、鞄ひとつの本を持ち寄った市民も参加している。一つ目の段ボールの中に、モースの「日本その日、その日」を見出し、飛びつくように買った。モースは東京大学動物学教室の第一代教授である。日本に初めての学会(あらゆる分野を通して)というものを作った人物でもある。もちろん、世間で有名なのは、大森貝塚を発見したことだ。彼は、右手と左手を同時に使って動物の絵を黒板に書いたり、その圧倒的に人を魅力する話術で、発表されて15年そこらであったダーウインの進化論をちょんまげ切って間もない日本人に伝えたり、近所の子供を集めてド真剣な戦争ごっこをやって、それを目撃した軍人をうならせたりした。右手と左手で違うものを描くという特殊能力の原因を死後に探ってくれと言い残し、彼の脳は剖検され、今も米国の大学に残っている。
 興奮しながら、昨夜読み進めたが、今日、大学に来て、本棚を眺めたら、同じ本をすでにもっていることを発見した。がくっ。
2013/01/23◆ 日本神経科学会のアブストラクト締切りを控え、投稿メンバーたちと推敲を重ねている。今年は、本研究室からは9件の発表を予定。こんなにたくさん発表演題を出すのは初めてだ。良くデータがでて、研究の進んだ年だったということで喜ぶべきことだろう。

◆◆ あっ、ない!なんてことだ。久しぶりに柴原門を通ったところ、通り道にあった大クヌギが消えていた。切株すら残っていない。この木は、夏になると、オオムラサキ、コムラサキ、スミナガシなどおしゃれで、そうどこにでもいるわけではない蝶を、サトキマダラヒカゲ、ルリタテハ、クロヒカゲとともにひきつけ、オオスズメバチ、カナブン、シロテンハナムグリ、キョウトハナムグリ、ヒラタクワガタもしょっちゅういる素敵な木だった。阪大のキャンパスの中で、一番、大事なものだった。あれを切ってしまうとは。。。
2013/01/17◆ 明日は、修士論文、卒業研究論文の発表練習会の第一回目である。この数か月、一生懸命に研究してきたことを、各人がどの位、ちゃんと人に伝えることができるか。楽しみである。と同時に、これから1か月以上に及ぶであろう苦闘の日々の幕開けでもある。

◆◆ 両眼視差選択性細胞がシドニー大学で発見されたときにそのグループにいたN先生に当時のお話を伺いに行った。当時のシドニー大学や日本の大学の様子を聞き、実にいろいろな新しいことを知った。冬の盛岡は、旅情をそそる風景、歴史、文化、人々の生活に満ちた町だった。

◆◆◆ みなさん、本年もよろしくお願いいたします。年が明けて、17日も経ってのあいさつで、失礼いたします。
2012/12/21◆ 本日は、先週に続いて研究室の大掃除。来春に引っ越しを控え、10年以上過ごした研究室にはいろいろな不用品がたまっている。選別が難しく、考えながらの作業で時間がどうしてもかかる。

◆◆ 先日、新聞に載っていた川柳。川柳の持つ深みがわかる。思わず笑わされるナンセンスの背景に、ふつうの市民が持つ健全な常識とそうでないものに対する痛烈な風刺の精神がある。

銃のない社会が無理なら弾なくせ

2012/12/18◆ S夫妻に勧められて、湯たんぽを買った。何十年ぶりだろう。小学生の時以来だ。S夫妻いわく「湯たんぽで幸せになれますヨ」。

◆◆ 壇ふみのエッセイ「まだふみもせず」を読み進み、あとがきに来て、びっくり。小西甚一「古文研究法」に言及していたからだ。この本、私も大学入試のときに使っていた。良い本だった。そういえば、朱牟田夏雄の「英文をいかに読むか」もすごい本だった。小西氏にしても、朱牟田氏にしても、これらの本を高校生向けと思って書いていたのだろうか。
2012/12/10◆ 小沢昭一さん死去。かつて、子供を迎えに保育園に向かう時に、車の中で「小沢昭一の小沢昭一的こころ」をいつも聞いていた。氏はとてつもなく多才な人だが、私にとっては、高校の大先輩であり、第一義的には尊敬する文筆家だった。軽妙な語り口の背景にある深い中身、練り上げられた言い回し、軽みと諧謔と背骨の強さのブレンド。変哲の号を持つ川柳の名人でもあった。また、年を取るということがどういうことかを教えてくれる数少ない人だった。今朝の新聞に載っていた句。

手の中に散歩の土産てんとう虫    変哲

◆◆ 本日、ミネソタ大のGeffrey Ghoseさんのセミナー。大学院生の頃から(だから20年以上前だな)、彼はカウボーイハットをかぶって学会に来ていたが、本日も同様。明快でthought-provokingなとても良いトークだった。

Geoffrey M. Ghose, Ph.D.
Associate Professor, Department of Neuroscience, University of Minnesota

Date/Time: Monday, December 10, 2012 16:00~18:00
Place: Osaka University (Toyonaka Campus), Engineering Science
Building-J, 3F Room J306

Perception and decision making depend on both the accurate encoding of sensory information by neurons and the subsequent decoding of those neurons to form percepts and guide actions. While much attention has been focused on "sparse" representations of visual information,relatively little attention has been devoted to the "read-out" or decoding of neuronal populations. Are decisions based on the sampling of a small number of critical neurons or individual neurons so noisy that substantially averaging is necessary? In this talk, I will examine the this question by recording and stimulating from monkeys engaged in two types of decisions: a rapid perceptual decision requiring attention, and a cognitive decision requiring internal time-keeping. Using a novel application of information theory and micro stimulation, we conclude that, surprisingly, and for both tasks, decoding is sparse in both time and across neurons. This suggests that a wide class of decisions may be based solely on the occurrence of a small number of action potentials from the specific neurons that are best suited to the task.

◆◆◆ 卒業生K嬢来たる。立派な社会人となり、感心、感激。
2012/12/07◆ 相変わらず、なけなしの研究・勉強時間をうばう雑務が目白押し。あっちの会議、こっちの会議で、気の進まない相談事を行っている。で、昨日、ある会議が終わり、さっさと研究室に戻ろうと足早に去ろうとしている後ろから、私を呼び止める声が。Kさんから、「お茶飲んでいく時間ない?」とのお誘い。Kさんと話しながらお茶を飲むことにはどんなに時間を使ってもよいので大喜びでついていった。前回はぼくから押しかけていって、彼のオフィスにかざってあるセイランの羽を見つけ、二人の会話の中で、眼優位性コラムの形成についての思わぬアイデアを得たのだった(くわしくはこちら)。さて今回、Kさんからは、「不協和音はどうして不快なのか」「短調のメロディーはどうして悲しく響くのか」「これらのことは、文化を越えて共有されているようなので、脳に理由を求めることができるのではないか」という質問が出たが、まったく、何も答えられなかった。短調の話は、何か一度関連する論文を見かけたことがあるような気がするのだが、内容も書誌情報もまったく覚えていない。さみしく、紅茶をすするばかりだった。その一方で、Kさんは、今彼が興味をもって考えている音階と周波数の間のびみょーな関係について解説してくれ、オーケストラになぜピアノがないのかという謎解きをしてくれた。さらに、帰り際に、彼の自信作というエッセイ「全ての植物をフィボナッチの呪いから救い出す」のリプリントをもらった。オフィスに戻ってすぐに読んだがすばらしいものだった。

◆◆ 院生のMoha君がこんなすごいビデオがあると言って、クジャクグモ(peacock spider)の求愛行動を示すビデオサイトを教えてくれた。網をはらず、獲物にとびついて狩りをする彼らはjumping spiderハエトリグモの仲間である。玄妙なる求愛ディスプレーだ。多くの種類は足でタップをふみ、その振動だけで、求愛をするのだが、この種は、腹部の美しい模様をまるでクジャクの雄がするようにメスに誇示している。メス蜘蛛は、あの数個の単眼で、この美しい模様のパターンと色を見ることができるのだろうか。
 何年前のことだったか、コーネル大学のRon HoyがSociety for Neuroscienceの年会で行ったでかいレクチャーで、ハエトリグモのダンスとフラメンコの状景の間を行ったり来たりするビデオを見せて、会場の大爆笑をさそっていた。フラメンコダンサーが行う魅惑たっぷりのしぐさとそっくりのしぐさをハエトリグモが示すからである。それも一つや二つではなく、10を超えるような運動パターンで。
 25年前、アメリカの大学にいたときに私と同室であったコンピュータプログラマーのジャックは、ザトウムシのような長い手足をもった長身のやせ男だったが、彼の研究対象(というより趣味の対象か)がハエトリグモだった。全米ハエトリグモ学会というのがあると聞いて驚いた。
 わたしのオフィスにある流し台の水抜き穴の中にひと夏かふた夏、ハエトリグモが住んでいたことがある。朝、出勤してドアをあけ、彼(彼女かも知れない)があわてて穴の中にひっこむのを確認するのを朝の楽しみにしていた。一人で仕事をしていても、なんだか仲間がいるような気がしてうれしいもんだった。俳句の世界では、ハエトリグモは蠅虎と呼ばれ、夏の季語である。

   嗽する横で蝿虎息ひそめ      古國
2012/12/03◆ 何十年ぶりかに中学高校の同期会に参加。英語を教えてくれた恩師にも、卒業以来初めてお会いした。15,6歳であった私たちに、「時間厳守の悪徳」(The vice of punctuality; 著者は誰だったろう?サマセット・モームだったかな、いや、オスカー・ワイルドだったか。。。)と言ったようなひねりにひねったエッセイや、「目が見える3日間」(Three days to see; ヘレン・ケラー)という心洗われるエッセイを教材として読ませた恩師に、ただただ感謝する。少年の知る知的世界の数段上に、別のレベルの思索、ウイット、言葉があることを知る、とても刺激的な授業だった。当時の生徒の多くが、40年を経て、なお感慨深く思いだす。(2012-12-03)

◆◆ いつも乗っている車の総走行距離が先月16万キロになったのだが、ふと考えたら、これは赤道まわりの地球の円周の4倍である。そんなに走ったのか。ドライバーとともに車もポンコツになりつつある。5周まで行けるか。(2012-12-04)
2012/11/27◆ こんなインタビュー記事が、NTTコムジンというウエブサイトに掲載された。このサイトのバックナンバーを拝見すると、とても読み応えがある。「『見る』とはどういうことか〜脳と心の関係をさぐる」(化学同人)の読者プレゼントがあるので、興味のある方、ぜひご応募を。

◆◆ どんよりと曇り、大阪とはくらべものにならない寒さだが、落ち葉からの香りがすばらしいドイツの秋。アーヘンで旧友と会い、ユーリッヒで共同研究者たちと3日間、缶詰めになって、プロジェクトの相談をした。電話や雑用から解放されて、久しぶりに科学者に戻っていく自分を感じ、うれしい気持ちになり始めたところで帰国。

◆◆◆ 11月26日。国際生物学賞の授賞式と天皇皇后両陛下を交えた茶会。成体脳での神経細胞新生を示したアルトマン氏が受賞。1960年代のこの発見がなぜ1995年まで無視され、受け入れられなかったのかは、科学史的に探究すべきことと思う。ご本人および長年の共同研究者である奥様に尋ねたが、2言3言の短い説明を得たのみ。話したくない過去があるのだろう、ご本人たちの口は重い。

ちなみに、授賞式の招待状を見ると、終了時間11時29分と書いてあり、思わず笑った。かつて、私が勤めていた研究所に陛下が来られたときも、秒単位の台本が作られ、「○時○分○秒、理事長が蛍光灯の紐を引く」などと書いてあるのである。そうやって綿密に計画されていたのだが、日本生まれ(遺伝子的には日本人)、アメリカ育ち、フランス国籍のKさんが、割り当て2分40秒のところを15分近く、カリフォルニア英語でおしゃべりして、後の計画は大乱れ。別棟で待つ人たちの間では「どうしたんだ、どうしたんだ」と大騒ぎになっていた。しかし、陛下はその会話がとても気に入ったらしく、「今の方は何というお名前でしたか」と移動中にお聞きになったとのことである。人生を楽しみ、科学を楽しみ、おしゃべりを楽しんだコスモポリタンKさんも今は亡い。
2012/11/05◆ 昨日は、旧生物工学科、現生物工学コースの45周年記念講演会と祝賀会。同窓生が多数集まった。わたしは、同窓ではないが、本コースのスタッフ、主任として参加。さて、会では、三井利夫、鈴木良次、大沢文夫の初代3教授が講演。皆さんすばらしい話をされ、感銘を受ける。大沢先生はことし90才。卒寿の男性が持ちうるカゲロウのように透明で繊細な色気というものがあることを知る。もちろん、誰もが持ちうるものではない。

◆◆ 鈴鹿市に用事ができ、土曜日にでかけた。用事のあと、先週、登山計画中止となった御在所岳のふもとまでいく。ごつごつした魅力ある山貌であった。

◆◆◆ 大澤五住さんの研究室では、今週、天候を見計らって、waterfall illusionとcolor adaptationの実験に出かけるとのこと。箕面で滝と紅葉の見物ということらしい。
2012/10/28◆ 雨の日曜日。今日はいつものメンバーで御在所岳登山の予定だったのだが中止。この計画が立った時から天気予報を見ていたのだが、週間天気予報の驚くべき精度にひたすら脱帽。いったい、どんなデータに基づいてどんなシミュレーションをして、7日も前に、ピンポイントで今日雨が降ることを予想できるのだろう。ともかく、山登りは中止になったが、4人がせっかく時間をやりくりしたのだからということで、今日はS教授宅に集まって次回の登山の「作戦会議」。ベルギーのビール4種8本とシャブリ、ボルドー、キャンティが空いた(2012-10-28)

◆◆ キャンパス内の木々が色づいてきた。特にサクラの葉が美しい。ケヤキもいいのがある。(2012-10-30)
2012/10/18◆ 「素朴な期待」

政治の話をしようというのではない。

大阪市長の出自、縁戚関係を暴き、それに基づいて氏の人間性を評する記事がある週刊誌に載り、騒ぎになっている。氏はその週刊誌自身を相手にせず、その100%出資会社である親新聞会社に対して批判と抗議を行っている。私は、様々な点でこの問題の行方を関心を持って見ているが、その多くは政治的な議論をさけられないのでここで述べるつもりはない。ここで書きたいのは、科学コミュニケーションとも無縁ではない「報道」あるいは「週刊誌というメディア」のことである。取材をよそおいつつ、取材内容にもとづかず、元からある結論にそった記事を出し続けていている日本の多くの週刊誌のあり方に何等かの影響(良い方向への変換)が起こるかどうかという問題である。

 週刊誌には苦い経験が私にある。脳ブーム絶頂のある日、週刊Aから電話があり、脳トレ、脳ブームについて意見を聞かせてほしいという。「一般的な話はできるが、個人攻撃のような話ならお断りする」と返事をする私に、「現状を俯瞰するような一般的な話でよい」という。そこで一般的なことをつらつら述べたが、その途中で脳トレの話となった。そこで、「脳の活性化」という言葉が持つ問題点という形で一般的な話をした。ところが出版された記事をみて思わず「何てことだ」とうなってしまった。記事は、脳トレで著名なK氏の批判にしぼった記事になっており、しかも、その中にはK氏の師匠Ku氏や兄弟子S氏のK氏批判も載っている。雑誌を見たのは、アメリカにでかける機中であったので、帰国してしばらくしたときに、「こんな記事なら僕は載せていただきたくなかった。Kさんや特定企業の個人攻撃になっているし、まして、師弟・兄弟弟子の間の争いごとみたいなところにひきこまれてしまって当惑している」とかなり強めに抗議したのだが、驚いたことにその記者は「だからこそ、第三者として藤田先生にご登場願ったのです」などとのうのうと言うのである。

 この一件でただちに週刊誌との付き合い方を学習すればよかったのだが、さらに悪い経験をこの週刊Aではしてしまった。あまりの気分の悪さに記事やその時のメールのやりとりなどすべて廃棄してしまったので、ここで再現できないけれど。

 この2つの経験のあと、1、2年して、今度は週刊Bから脳ブームについて談話をとりたいと連絡があった。過去の経験からこちらは防御気味、「絶対に個人攻撃的な記事でないこと」「ゲラ段階で私に読むチャンスを与え、場合によっては、私の談話を削除できるようにすること」を条件に出すが、先方は、「記事は執筆者の裁量で書かれるものであり、ゲラを見せることはできるが、取材された側が筆を入れたり、削除を指示することはできない」という。それはそうかも知れないとちらっと思ってしまい、そのまま、取材を受けた。木曜日に最初の電話があって、原稿締切りは月曜日だと言う。木、金、土と3回にわたり、さまざまなことを話すが、先方は必ず、メディアで大活躍中のM氏の話に会話を誘導しようとする。私は、その度に、「ひょっとしてこれは、Mさんの批判記事なんじゃないですか。それなら、最初から言っているようにお断りです」と伝えた。原稿締切り日の朝、記者らから電話があり、「先生の意向を反映した記事にしたいと私自身は思い努力したが、編集長の方針は曲がらなかった。しかし、先生が本気で個人批判記事なら断ると言っておられることがわかったので、先生にお話しいただいたことは記事にはしないことになった」と言うのである。つまり、編集部内では、最初からM氏批判の論調(あるいは記事の大半)はできていて、そこに、ぴったりはまる発言を脳研究の現場にいる私がもらすのをつかまえるために3日間も電話をかけつづけてきていたのだ。締切り3日前に初めて電話をかけてくることがその(間接的)証拠だ。

 以上は実に小さな経験である。しかし、週刊誌においては、同様の手法で(i.e, 取材結果に基づいて現状を解析し、それに基づいて得た結論を主張するのではなく、最初に結論があって、それに合う談話とエピソードをかき集めて体裁をつくるという方法で)、政治、経済、行政、司法、国際関係、科学、技術、医療、健康、環境、教育などに関する記事が多く作られているのだろうと危惧する。記事の多くが、説得力や厳密な論理性を欠いていることからそう考えるし、上記の経験から、個々の怪しげな記事がどういう手順で作られたが読み取れるような気さえする。しかし、そのようなこととは無関係に週刊誌は売れており、病院や床屋の待合室にも置かれて、多くの人が目を通すのである。このようなあり方にわずかなりとも変化が起きてくれないか。そう思って、今回の事件の顛末を注目している。素朴すぎる期待かもしれない。
2012/10/16◆ 今日は、1年半前まで本研究室に勤めていたKAさんがご家族とともに訪問。久しぶりに会うKAさんと初めて会うご家族。うれしいひとときでした。

◆◆ もうひとつ、うれしいニュース。Sociefty for Neuroscienceに参加中の卒業生TS氏(NY在住)からメール。本研究室で卒業論文、修士論文を書いて卒業していったSYさんと会場でばったりあったとのこと。僕も予定どおりニューオリンズに行っていれば会えたんだけどなあ。詳細ニュースを待っているところです。
2012/10/16◆ 今度の日曜日に小学校5、6年生に向けた公開講座「脳のしくみとはたらき」が日本脳神経外科学会と朝日小学生新聞の主催で行われます。こんな会です。これまでにも何度も経験したことですが、小学生を相手にした講演というのが一番おもしろい。聞いている子らが遠慮なく、恥じらいなく、「うそだあー」と叫んだりするからです。

◆◆ 11月1日(木)は、国立民族学博物館で、民俗学、人類学を研究されている方々を相手に話をします。高校生の頃、民博が発行する「みんぱく」や「季刊人類学」を愛読していたことから、あこがれを持ち続けた研究機関です。見学に行ったことはありますが、中の方々とお話しするのは初めてです。
2012/10/12◆ 私の車には3匹の蜘蛛が住んでいる。一匹は右のフェンダミラーの中に住んでいて、不定形の網がすこしだけミラーを覆っている。クサグモの仲間ではないかと思うが出てきたところを見たことがない。同じような巣が、右テイルランプのところを覆っており、どうやら一匹、テイルランプの中に住んでいるらしい。もう一匹は、りっぱな同心円ー放射状の網を、テイルミラー(ワンボックス車のうしろ中央についているやつ)と窓の間に張っている。夏に白馬に行った日からその網がついているので、どうやら当地で林のわきに駐車したときに、がたついているテイルミラーのすきまにもぐりこんだらしい。この2,3日、本人がでてきて網の中央に鎮座している。オニグモタイプのがっしりとしたかっこうの、しかし、7−8ミリしかない蜘蛛である。彼らの網に獲物がかかったところを見たことがないが、どうやって生き延びているのだろう。
2012/09/14◆ 9月10日の本サイトの訪問者数が4000だった。前日の20倍以上である。こういうことが起きるのはサイトへのリンクが検索エンジンサイトのトップページにリンクされた日である(以前、12000という日もあった)。調べてみると、これだった。「男性と女性、物の見え方の違い」という記事の下に、2010年に行った学部の課題探求型授業(PBL)での提出レポート 「男女間で視覚脳機能の差は存在するか?」がリンクされていた。提出者は二人の井上君だが、一人は現在医学部に編入し医学の道を歩んでいる。もう一人はドイツに留学中である。月日は着実に流れる。
2012/08/27◆ 京都大学で以下のセミナーが行われます。下條さんの紹介ということで、京大の学生以外の人も少人数参加可能とのことです。参加希望者は、藤田まで連絡してください。

日時:2012 年9 月5 日(水)、6 日(木)、7 日(金) 18:00〜20:00
講師:下條信輔(カリフォルニア工科大学、こころの未来研究センター特任教授)
ゲスト:青野由利(毎日新聞)ほか
場所:京都大学稲盛財団記念館3 階 大会議室 (定員80 名。申し込み制)
概要:原子力は、人類に厖大なエネルギーをもたらすとともに、巨大な危機管理責任をも課した。そして言うまでもなく、先の東北大震災によって、その危機管理が破綻する可能性も露呈した。一面で危機管理するシステムが巨大化すれば、それに伴うヒトの側のコミュニケーションや協調体制への要求も、一気に高まる。半面、ヒトの認知能力にはもとより大きなバイアスがあり、限界もある。知覚、注意、記憶、情動、意思決定?そうした、認知機能のあらゆる側面にわたるヒトの本性は、そもそもこのような巨大システムの危機管理と相容れるのか否か。このセミナーの目的は「脱原発」を声高に叫ぶところにはない。むしろ一歩下がって、認知・神経科学の先端知見を基礎に、ヒトの認知機能のバイアスと限界を認識し、危機管理側の要求との相性を、ひとつひとつ、つぶさに検証する。こうした作業を通じて、後に続く世代の将来を見据えた、叡智と勇気あるコンセンサスに辿り着きたい。論点は以下の3つである。(1)ヒトの本性、認知の限界。 (2)ニュース/社会現象を読み解く新しい視点。 (3)原発をどうするのか。

原発と潜在認知(下條信輔)
京都大学「心の未来センター」集中セミナー

時間割(予定)
<1日目 (9/5)>
レクチャー(90分)
セミナーの基本方針
1.ブラックスワンとビッグ・ミステリー
2.パニック行動と、危機管理。
3.心理リアリティと実態(体)リアリティ
討論(30分):(ゲスト 毎日新聞専門編集委員・論説委員 青野由利さん)

<2日目 (9/6)>
レクチャー(90分)
4.ヒトは見たいものしか見(え)ない〜コミットメントと、ギャンブラーズ・ファラシー
5.「後の祭り」を科学する〜ハインド・サイト、ポストディクション
6.ヒトは馴れの動物(前半) 
討論(30分):(ゲスト 広島大学名誉教授 利島保先生)

<3日目 (9/7)>
レクチャー(90分)
6‘.ヒトは馴れの動物(後半)
7.原発をめぐるカネと心
8.仲間意識と「たらい回し」問題〜廃棄物など
9.結論−未来へ
討論(30分):(ゲスト 朝日新聞編集委員 高橋真理子さん)
2012/08/27◆ 9月14日(金)午後4時00分より、第81回生命機能研究科研究交流会を開催致します。皆様奮ってご参加ください。
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第81回研究交流会 (FBSコロキウム)
開催日時:2012年9月14日(金)午後4時00分〜午後5時30分
場所:吹田キャンパス  >ナノバイオロジー棟3階セミナー室

特別講演
池谷 裕二准教授(東京大学 大学院薬学研究科)
「メゾスコピックな視点から眺めた脳回路の働き」


※講演終了後は、午後17時30分よりナノバイオロジー棟1Fにて意見交換会を開催します。皆様奮ってご参加ください。(軽食を用意しています)
2012/08/16◆ 本研究室の卒業生たちに関するうれしいニュースが2つ届きました。まず、2012年度の日本神経科学会奨励賞の一人に田辺誠司君が選ばれました。研究タイトルはMechanisms for solving the stereo correspondence problem in the visual cortex です。彼の受賞の弁の中におもしろいことが書かれています。現在、"That's funny..."とうならざるを得ないデータをいくつか抱えている私たちは、興奮すべきフェーズにあるはずです。それから、つい先日、日本神経回路学会JNNS2012年度優秀研究賞に稲垣未来男君が選ばれたとの連絡を受けました。受賞研究は「顔反応性細胞の表情に対する選択性の潜時:側頭葉視覚皮質と扁桃体の比較」です。研究内容の概要はこちら。この研究、実を言うと、稲垣君自身の先行研究との統一的理解という課題が残っています。データは非常にロバストなので、問題は「正しい解釈に到達できていない」ということだと思います。
2012/08/14◆ 先日、本学の健康体育部K名誉教授、医学部S教授、S准教授とともに、大台ケ原を歩いてきました。中学生時代にその名を聞いて以来、気になっていた山です。「後期高齢者なのでゆっくり行きましょう」などとおっしゃっていたK名誉教授は20才若い我々の先頭を常に歩き、特に遅れがちの私を何度も待ってくれました。私は、ほうほうの体、よれよれ、ぼろぼろになってようやくついていくという感じでした。さて、ひとめぐりして車に戻ってきたところで、K名誉教授がTシャツなどを着替えるのと同時に、両足から何かをはずされたのを見て仰天しました。何と片足に2kgずつのウエイトを装着して歩かれていたのでした。
2012/07/02◆ 知と行動研究会メンバーの佐々木閑さんの新著「NHK『100分de名著』ブックス ブッダ 真理のことば」が出版された。第4章で私も対談に登場させていただいた。
2012/07/02◆ 小林さんからセミナーのお知らせ
7/4に東京大学の森田 賢治先生が強化学習の脳内計算メカニズムについて神経生理学、計算理論の両面からお話しくださります。セミナーの後、同じ場所でささやかな懇親会(参加費無料でおいしい食べ物がいっぱい!)を開こうと思います。研究スタッフのみならず、学生のみなさまもどうか遠慮なくご参加ください。

日時 2012年7月4日(水)17:00-19:00
場所 阪大豊中キャンパス基礎工学部J棟308室(生物工学コースセミナー室)

講演者:森田 賢治 東京大学 大学院教育学研究科 身体教育学コース 講師

<セミナー演題>
強化学習の神経回路機構に関する新たな仮説:皮質局所回路を介した報酬予測誤差の計算

<セミナー要旨>
中脳ドーパミン細胞の一過性の活動は、手に入ると予測された報酬(価値)と実際に手に入った報酬(価値)の差、いわゆる報酬予測誤差を表し、「強化学習」様の学習において中心的な役割を果たすと考えられているが、そうした活動が、どのような入力に基づいて生み出されるかは、未だ明らかになっていない。本セミナーでは、ドーパミン細胞の上流に当たる大脳基底核、そしてさらに上流の大脳皮質に関しての最近明らかになった解剖学的・生理学的知見に基づく新たな仮説(Morita et al., Trends Neurosci, 2012)についてお話ししたい。この仮説によって、大脳皮質・基底核神経回路における強化学習と運動制御、さらに価値の時間割引などの機構が包括的に説明されうることを示し、また、潜在的な臨床的意義や、仮説に基づく数理モデル・シミュレーションと実験との対応などについても、少し触れたい。
参考
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166223612000719

対応者 大阪大学生命機能研究科 小林康
06-6850-6521 yasushi@fbs.osaka-u.ac.jp
2012/06/25◆ アブラゼミ、2012年初鳴き。豊中キャンパス。
2012/05/28◆ よい蕎麦屋というのにはめったに出会えない。情報収集の末に出かけていっても確率は2割ぐらい。ぶらっと入れば、まずほとんどの場合、はずれだ。ところが、先日、通りがかりに入った店がとんでもない宝石だった。蕎麦よし、器よし、天麩羅よし。調度よし、店の人よし、風通しよし。小さな畳間の窓のすぐ下では清流が初夏の光の中できらめき、その向こうには、フクロウでも住んでいるのではないかと思えるような洞をもった大樹が葉を揺らしていた。脳福!

◆◆ 吹田での仕事を終えJ棟に戻ると、たこやき&たこせんを食す会が催されていた。隣の研究室のKさん提供のブート・ジョロキアをたこせんにかけてたべた学生数名が悶絶。これまたKさん差し入れのくさやを焼き、一同、苦しみを楽しむ。その時に聞いたのだが、数週間前のシュールストレミングを食する会では、缶を開けただけで、周りにいた数人の学生が吐いたらしい。

◆◆◆ 質感脳情報学の3日間のシンポジウム+班会議終了。本研究室の若い連中のほとんどが参加。さまざまな刺激を受け、勉強した。
2012/05/27◆ いやはや。なんとも。PCのウイルス感染は、ソフトの書き換えがすでに起きていることが判明。すべてを初期化、再インストールしなくてはならなかった。甘かった。さて、その際に、この欄を書き換えるためのユーザー名やパスワードも消えてしまい、再設定に時間がかかり、このところ、この欄の更新がとまってしまっていた。本日より再開。

◆◆ 能勢や箕面にアオバズクがすでに飛来している。昼間に見に行くと、オスだけが枝に出てうつらうつらしており、メスは洞の中で抱卵しているらしく姿は見えない。

◆◆◆ 池添君の論文、"Decorrelation of sensory-evoked neuronal responses in rat barrel cortex during postnatal development"がNeuroscience Researchに受理された。8月号の表紙を飾る。ラットのバレル皮質細胞のひげ刺激に対する反応の生後発達を調べた。複数の細胞からの活動同時記録を行い、ノイズ相関を調べたところ、生まれた直後には非常に高い値を示すものの、生後2,3週目にかけて徐々に低下し、成体ではほぼ0に近くなることを示した


大きな画像はこちら
2012/05/08◆ 連休が終わり、さて仕事に戻るかという昨日の朝、コンピュータがウイルスに感染。アンチウイルスソフトを装った表示が出てきて、まずいことに、最初のボタンを押してしまった。何やら動き始めてから、「まてよ。このソフト名は、購入したアンチウイルスソフトの名と違うぞ」と気づき、急遽、ドキュメントファイルをバックアップ。その後、正規のアンチウイルスソフトいくつかで点検してみると(というか教室のI君にしてもらうと)、でてくる、でてくる、山のようにまずいものが入っていた。クレジット番号を読みだすものにまで感染していた。MSやAdobeから送られてくるパッチ更新をさぼっていたせいだ。一日かけて清掃してもらい、今朝、コンピュータを操作してみると、動作速度まで速くなっており、なんともすっきりした気分。連休中と昨日、今日のメールへの対応が止まっていたため、これから、一つずつ片付けなくてはならない。気が重いことだ。
2012/04/12◆◆ すっかり陽気が良くなってきた。15日の日曜日には、ツクシ、ノカンゾウ、フキ、セリを摘んできた。毎年のことながら、春の野草を食べて一層、季節がめぐったことを実感。このごろ、今ひとつの体調が上向くことを望む(2012/4/17)

◆ Anna W. Roeさんらとともに執筆した"Toward a unified theory ofvisual area V4"という大層なタイトルの総説 がオンラインにでました。こちら
2012/04/12◆ 生命機能研究科の入試説明会が大阪と東京で開催されます。本年度、入試方法が大きく変わるとともに、生命機能研究科が大きく関与する2つの大プロジェクト(脳情報通信融合研究センターCiNet、理化学研究所生命システム研究センターQBiC)がスタートしました。貴重な情報をたくさん得ることができます。

○ 平成24年4月21日(土)10:00-
 大阪説明会 大阪大学吹田キャンパス コンベンションセンター
 午後は、研究室訪問ができます。
 ○ 平成24年5月12日(土)14:00-
 東京説明会 トラストシティカンファレンス・丸の内(3F ROOM2)
2012/04/11◆ 先日、全国のTBS系列のラジオ局で、私が出た「夢★夢Engine」のオンエアがありました。こちらで聞くことができ、こちらで採録の様子を見ることができます。
2012/04/02◆ 新年度が始まった。新ラボメンバーも到着。フレッシュな気分でスタートしたい。

◆◆ 先週、吹田キャンパスに向かう途中、万博回周道路に出たところで上空を猛禽が旋回しているのを発見。オオタカだ。オオタカが万博公園内に営巣しているというニュースを数年前に聞いたが、初めて見た。この捕食者1羽の下には、多階層でピラミッド状の食物連鎖を可能にする豊かな生態系があるはずで、なんだかホクホクと嬉しかった。すばらしいことだ。そして週末の新聞報道によると、日本万国博覧会記念機構が、万博公園を自然公園にしようという提案していると言う。グッドアイデア!私の意見としては、テーマパークよりずっと良い。阪大吹田キャンパス、千里北公園、勝尾寺川などをつなげて箕面山まで到達するような緑の街道を作ることだってできるはず(フクロウを放鳥するというようなことが書かれていたが、そんなことしなくても、この緑の街道を実現すれば、きっと、箕面の常連アオバズクが巣を作りにやってくるだろう)。大阪駅北ヤードに作ろうと関西の経済会が提案している公園とだって結びつけることが可能なんじゃないか。そして、もっと将来的には、箕面と六甲、箕面と生駒の間を結べたら、なおすごい。自然と共存、共生する大都会、木と石と土と水と闇がコンクリと金属と蛍光灯に負けないほどある町を作ることは、これからの日本の課題じゃないだろうか。半世紀以上前の万博の企画に関わった堺屋太一氏に、いまだに、大阪の街づくりのアイデアを出してもらっているってのはどういうことだろう。堺屋氏自身が、「まだ俺の出番かい?」って驚いているに違いない。

◆◆◆ 豊中キャンパスを歩いていたら、500円玉くらいの小さな亀が落ちていた。ひからびて、ほこりまみれ、手足もいびつに伸びきっている。カラスにでもやられたか。と思いつつ、つまさきでつついてみたら、足がわずかに引っ込んだ。生きてる!つまみあげてオフィスに持ち帰り、弁当箱に水をうすく張って、入れておいたら、2時間後には頭も動かし始めた。今夜、家に持ち帰って、昨日ちょうど入手した釜あげのしらすを食べさせてみよう。
2012/03/26◆ Shiozaki et al. (2012)の成果を示すかわいらしいアイコンができました。成果の紹介は生命機能研究科HPでもなされています。



◆ 3月28日(水)夜10時よりNHK教育テレビで、100分de名著「ブッダ 真理の言葉 第4回 世界は空なり」の再放送があります。番組で紹介いただいた本は、
「見るとはどういうことか〜脳と心の関係をさぐる」
「脳ブームの迷信」
の2冊です。昨年、以下の本も出版しました。
「脳の風景」
番組ではこれらの本の内容とは別のことを話します。(2012-03-27)

◆◆ 空を見上げたら、星ー三日月―星が等間隔で一直線に並んでいる珍しい光景。見とれました。(2012/03/26 20:00)
2012/03/23◆◆◆ コブシの花芽がほころびはじめました。昨日は卒業式。本研究室からも多くの人が巣立っていきます。毎年のことながら、嬉しいようなさびしいような。。。

◆◆ Neuron 誌4月12日号に、Roe, Chelazzi, Connor, Conway, Fujita, Gallant, Lu, Vanduffel "Towards a unified theory of visual area V4"というreview articleが出ます。

◆ 台北で4日間の休暇。故宮(クーゴン)博物館で、これまでの人生で見た中で最も驚異的な人造物に出会った。象牙の球に数個の穴を空け、そこから内部を掘り、球の中に球を掘り出し、中の球が浮くようにする。そして中の球に同じ作業を行い、球の中の球の中で球が動くようにする。これを繰り返して、9層の薄い壁からなる球を作る。それぞれの球には、緻密なすかし細工がほどこされている。すべて手作業。こんなことが可能なのか。どれだけの時間がかかったものやら想像もつかない。人間が持つ能力の凄さを示した作者の名前は残らず、作らせた乾隆帝の名のみが残る。地球の歴史上、これまでもこれからもただ一つしかありえないこの仕事に、ただ、ただ、驚愕。これを完成させたとき、作者は何を思っただろう。こちらのサイトで写真を見ることができる。
2012/03/21◆ 脳情報通信融合研究センター(CiNet)スプリングスクールのお知らせ

全国の大学学部3年以上および大学院修士課程・博士前期課程の学生を対象に、「脳情報通信融合研究センター(CiNet) スプリング スクール」を大阪大学吹田キャンパスにて開催致します。皆様奮ってご参加ください。詳細はこちら

◆◆ H25年度の生命機能研究科の入試では、英語スコア(TOEICまたはTOEFL)と口頭試問のみを行い、専門科目はなくなります。願書出願に間に合うTOEICの試験は、下記が最後のチャンスです。
受験申込締切:4月17日(火)12:00(正午)インターネット申し込み
試験日:5月27日(日)
結果の発送予定日:6月26日(火)
生命機能研究科進学希望者は必ず受験してください。
TOEIC公開テスト受験地別スケジュールはこちら

◆◆◆ 3月28日に、100分de名著「ブッダ 真理の言葉 第4回 世界は空なり」の再放送があります。
2012/03/15◆ 昨日午前7時に、Journal of Neuroscience誌のオンライン版に、本研究室の成果が出ました(->こちら)。大脳皮質視覚野の一つV4野の神経細胞が、動物個体の微小奥行き判断を担うだけの感受性を持ち、その活動の試行間変動が動物の判断と相関し、しかも、電気刺激を行うと奥行き判断が影響を受ける(「手前細胞」を刺激すると視覚対象が浮かんで見え、「奥細胞」を刺激すると視覚対象がへこんで見える)ことを示したものです。これらの結果は、「微小奥行き視に脳のどこが直接的に関わっているのか」という長年の探求に答えを出しました。この10数年、MT野やIT野がまず疑われて検討されましたが、その両者とも、必要条件が満たされなかったのです。本研究も、開始から論文の公表まで6年の月日がかかりました。論文筆頭著者のS君がこの研究を始めた頃に生れたお嬢さんがこの4月には小学校にあがるのです!
 あちらこちらで報道がなされているようです(内容を間違えて紹介しているものもあります)。毎日新聞、讀賣新聞は直接取材ですが、その他は、時事通信あるいは共同通信からの情報に基づいていますので記事内容が同じものがあります。近いうちに、プレスリリースに用いた私たちの資料をアップします。それが一番わかりやすいと思います。--> こちら

Yahoo Japan! ニュース
時事ドットコム
The Wall Street Journal 日本版
BIGLOBE ニュース
exiteニュース
日本経済新聞
産経新聞
毎日新聞
讀賣新聞
2012/03/06◆ この数日、研究室ウエブサイトにトラブルが発生。関係者の尽力により今日から復活した。復活第一号のニュースは嬉しい知らせ。研究室OBの土井隆弘君が「意思決定と創造性 −新旧の情報を組み合わせ、新たな価値を創出する神経機構−」のテーマで、2011年度の「創造性研究奨励賞」を受賞。おめでとう。

◆◆ ラジオを聞くのは車の中が多く、しかも早寝の私は、こんなラジオ番組があるとは知らなかったのだが、夢★夢Engine!という番組があって昨日収録してきた。過去の番組をこちらで聴くことができる。いろいろな研究分野の話を専門家から聞くという番組だが、正攻法で科学の話を紹介しているとても良い番組だ。ホストの松尾貴史氏は大変な博識、マルチな活動。折り紙で人の顔を折る「折り顔」作家でもある。

◆◆◆ 新幹線で西に向かっている内に、薄日がさし、ついには青空もでてきた。外の景色はにわかに春めいてみえる。
2012/03/05Webサイトを復旧中です。
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大阪大学 知と行動プロジェクト
CREST 脳発達プロジェクト
特定研究統合脳 知覚意識プロジェクト
教育プロジェクト 脳の迷信・ウソ