大阪大学大学院 生命機能研究科 認知脳科学研究室 生物学、脳研究、脳と心、意識、認知脳科学、神経科学、行動学、視覚、錯覚、脳の発達
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脳の迷信、脳のうそ〜脳科学の教育・研究現場から神経神話を斬る〜

ジャーナリストの方を対象とした以下の講演会を開催します。

日時  2007年8月28日(火)18:30〜20:30
会場  日本記者クラブ(日本プレスセンター9F)
講師  藤田一郎
テーマ 第168回生命科学フォーラム 「脳の迷信、脳のうそ〜脳科学の教育・研究現場から神経神話を斬る〜」

アブストラクト

私たちの身の回りには、脳に関する迷信があふれている。そして、その迷信を利用した、うそや誇張や落とし穴を含む商品、出版物、報道が存在する。しかし、これは「脳」に特別なことではなく、健康、商品、環境、政治、戦争、国際情勢など、ありとあらゆる話題に同様のうそ・迷信・誇張が紛れ込んでいる。確かな知識、論理、感受性に基づいて、うそ・迷信・誇張を事実から峻別することは、現代社会に生きるわれわれには、いつだって求められている。「脳科学者は、脳に関する迷信をこのまま野放しにしておいていいのか。」という意見に対して、私はいつもこう答えてきた。

私は、少人数の大学2−3年生とともに、脳に関する迷信について調査し、その根拠や正当性を、正確な知識に基づいて論理的に検討するという課題探求型授業(PBL)を行っている。その目的は、特定の個人や企業などを標的にすることではなく、学生に、世間にとびかう情報の中のうそと事実を峻別する力をつけてもらうことである。脳の迷信などに惑わされない人材を社会に送りだすことが私の第一の仕事である。

しかし、ある日、久しぶりに訪れた実家のダイニングテーブルの上に、ボケ予防のためと称した計算ドリルが置いてあるのを見て、思わず絶句した。私の5倍のペースで本を読み、医学、短歌、ボタニカルアート、山野草栽培と忙しく充実した晩年を送っている父親の人生の貴重な時間が、一時とは言え、このインチキ本に費やされたのか!

そうこうしている間も、月に1、2回は、TV番組の制作スタッフと称する人から、いろいろな問い合わせがやってくる。「料理の段取りが良いというのは、やはり、前頭葉ですよネ。」「オヤジギャグを聞くと脳細胞が死ぬというのは本当でしょうか。」その内のひとつの番組は、番組内容に捏造があったことが表面化し、番組の打ち切りを迎えた。

どうやら、少数の学生を育てること以外にも何かやらなくてはいけないらしい。そう思い立って、授業を始めたばかりでほとんど成果がない段階でありながら、「脳の迷信、脳のうそ〜神経神話を斬る」というウエブサイトを学生とともに立ち上げた。

それから半年も経たないところで、この伝統ある生命科学フォーラムで、その活動について話をするようにとのお誘いである。逡巡せざるを得ないものの、せっかくのこの機会を利用させていただき、「料理の段取りが良いというのは、やはり、前頭葉ですよネ。」というような問いかけに、そうは簡単に結論できないんだと四苦八苦する理由と、授業活動の様子を紹介しよう。
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