下側頭葉皮質における左右視野情報の統合

川嵜圭祐、宮田健二、田村弘、王全新、藤田一郎

科学技術振興事業団戦略的基礎研究「脳を知る」のシンポジウム”脳神経科学の最先端1999”(名古屋)

初期視覚野の細胞は対側視野に受容野を持つが、下側頭葉皮質TE野では一部の細胞の受容野が視野の垂直経線を越え同側視野に及び、左右視野が統合されている。定量的にTE野細胞の受容野を解析したところ、10Hz以上の有意な視野応答を示した細胞の約半数で同側視野11°以上の両側性受容野を持ち、同側視野と対側視野で刺激選択性は似ていた。TE野の対側投射は対側TE野で0.5-1mmの局所領域で軸索終末を分岐して、4−5個のコラム上のクラスタを形成していた。また微小領域に投射する対側TE野の起始細胞も1mm程度のクラスタを形成していた。この投射が両半球TE野の刺激選択性の似たコラム同士を結び同側受容野の形成に寄与している可能性がある。


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