下側頭葉皮質:シナプス可塑性と刺激選択性


平成8年度生理学研究所研究会「運動及び行動発現のストラテジー:感覚認知、自律神経/情動及び運動各系の相互関連」

平成9年1月9日―10日

サル下側頭葉皮質TE野の細胞は、形、色、テクスチャー(肌理:きめ)またはこれらの組み合わせなど、物体のもつ複雑な図形特徴に対して反応し、その反応選択性にしたがって配列したコラム構造を形成している。TE野にいたる大脳皮質物体視経路のどこで、どのようなメカニズムで、TEで観察される図形特徴選択性が形成されるのか、また、TE野における機能的コラム構造がどの程度、遺伝的に決定されており、どの程度、視覚経験に依存して形成されているのかは、不明である。この2点を理解することを長期目標とした研究のスタートとして、2つの実験を行い、(1)図形特徴選択性の形成がTE野でも進行しており、その過程にGABA性抑制が寄与していること、(2)TE野内在性水平軸索の形成するシナプスが、水平軸索への頻回電気刺激により、伝達効率の長期増強(LTP)を起こすことを見出した。


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