側頭葉視覚連合野における情報処理

大阪大学医学部生理化学談話会(1994年10月28日)

藤田一郎

「身の回りにある物体や人々を見て、何であるか誰であるかを知ること」、毎日私たちが苦もなく行っているこの出来事の背景にある脳内メカニズムは謎に満ちている。我々は、膨大な数の物体を見分けているし、一つの物体をとってみても、その視覚像は、見る角度や照明条件により、無限の可能性があるからである。脳における物体像の処理の様式は、上記の問題に解決を与えてくれるものでなくてはならない。一体、脳の中において、物体像はどのように表現されているのだろう。演者らが発見した、サルの側頭葉視覚連合野のコラム構造を中心に物体像の脳内表現について考える。