脳の中の少女とピーマン:物体像の脳内処理

東京大学理学部Zoological Conference 1993.10.27

藤田一郎
新技術事業団さきがけ研究21および
理化学研究所フロンティァ研究システム

ハエも物を見る.カエルも見る.人問も見る.ハエにしかできないこともあれば,われわれ(とサル)にしかできないこともある.われわれの特徴の一つは、無数の物体を識別するとともに、同一の物体は見る角度や照明条件が異なっても、同じものであると認めることができることである.いったい、それはどのような脳のしくみによって可能になっているのだろ
う.物体像は脳の中でどのように表現されているのだろうか。
本セミナーでは,サル大脳において物体視に関わる経路の最終段である下側頭葉皮質が、平均直径0.4ミリのコラム状構造を持つ(Nature360:343-346,1992)というわれわれの最近の発見を軸に上記の問題を考える.