京都大学物質−細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)「インテグリティセミナー:科学者の生き方と責任」

2010年6月10日

藤田一郎
「脳科学と社会の健全な関係を目指して」

 ある主張に対してどんな根拠があるのかを求めて検証し、根拠なければすくなくとも無条件では信じないという態度が必要である。どの程度の確かさをもつのか、エビデンスを求める思考が必要であり、根拠のない強い主張に対しては、逆に強く疑うべきである。さらに必要があれば、正当な疑いを公に表明することによって、無防備に信じて受け入れる人々の被害を避けるための責任を果たすべきである。
 上記課題の一例として「大衆化した脳科学による根拠なき単純化した断定」についていくつかの事例をとりあげながら講義をする。その後、脳科学と社会の健全な関係を構築するにはどのようにすれば良いのかについて、皆で議論をしながら考えていきたい。