生理学研究所研究会
「視知覚研究の融合を目指して − 生理、心理物理、計算論」

日時: 平成19年6月14日(木)13:00-18:05(終了後に懇親会)  
           6月15日(金)9:00-12:55
場所: 自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター 中会議室


藤田 一郎(大阪大学生命機能研究科認知脳科学研究室)  

「大きさ知覚の恒常性とV4野両眼視差選択性細胞」

物体の網膜投影像は、観察者から物体までの距離に応じて変化するにもかかわらず、我々の知覚する物体の大きさは変化しない。この心理現象は大きさ恒常性と呼ばれており、脳は物体までの距離を利用して、物体の大きさを補正していると考えられる。両眼視差は奥行き知覚に利用される視覚手がかりであり、物体までの距離に関する情報にも利用される。V4野は立体視や物体の大きさ弁別に関わる視覚領野であることが示唆されている。様々な両眼視差、刺激サイズの組み合わせを持つRDSに対するV4野神経細胞の活動を記録した。V4野神経細胞は、両眼視差と両眼刺激サイズに対して選択性を示し、刺激サイズに対する選択性は、刺激の持つ両眼視差によって変化した。この変化の度合いは、ヒトを被験者とした心理物理学実験の結果と一致しており、V4野神経細胞が大きさ恒常性の形成に関与していることが示唆された。