サルTEO野における視覚反応の空間分布

池添貢司 川嵜圭祐 田村弘 藤田一郎

第25回日本神経科学大会プログラム・抄録集 p260
平成14年7月7日〜9日  東京ビッグサイト

サルの下側頭葉皮質後半部TEO野は、視覚物体認識に関わる腹側視覚経路において、V4の次段階、TE野の前段階に位置する。本研究では、TEO野における視覚刺激や刺激呈示位置の表現様式を調べるために、麻酔不動化されたサルに様々な図形を呈示し、TEO野の背側領域において内因性光学信号と細胞外活動電位の記録を行なった。視覚刺激(視野角4度以下)を、中心視領域または偏心度12度の4点のうち、1点に呈示した。刺激呈示により、視覚刺激の種類に依存した空間分布をもつ内因性信号が計測された。刺激呈示位置により信号の強度が変化し、位置によっては反応を誘発しなかった。同じ視覚刺激が2ヶ所以上の呈示位置で信号を誘発した場合には、TEO野内での内因性信号の空間分布は互いに似ていた。ある刺激に対して強い光学信号が誘発された領域の神経細胞の多くは、その刺激に対してスパイク発火頻度の増加を示すものの、個々の細胞の受容野は小さく、上の5点を含まないことも多かった。以上の結果は、(1)TEO野への視覚入力は刺激の種類に依存した空間分布を持つ、(2)TEO野内で入力を受ける領域は刺激呈示位置に依存している、(3)個々のTEO細胞は入力細胞群の受容野の総和より小さな受容野を形成している、(4)TEO野の細胞は受容野外からの刺激依存的な入力を受けることを示唆する。


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