認知脳科学研究室(藤田研究室)へようこそ!
私たちは、視覚に注目して、知覚の形成の脳内メカニズムを研究しています。とくに、両眼立体視(3Dビジョン)の脳内メカニズム、大脳皮質視覚野の機能的構造、アクティブビジョン(能動的視覚)、質感情報処理の解明に力を注いでいます。私たちが所属する大阪大学大学院生命機能研究科は他所にはないユニークな教育・研究・運営形態をとり、活発な研究グループの集まった大学院です。また、私たちが居住する脳情報通信融合研究センターは脳研究を行っている多くの研究室があり、活気ある研究集団となっています。脳や神経の秘密の探究を行いたい若者にとって、すばらしい勉学・研究環境です。
心のできごとの多くは、脳の中でも大脳皮質の働きに大きく依存しています。たとえば、「ものが見える」「見て何であるかがわかる」「動作や表情から相手の気持ちを知る」といった、ふだん何気なく行っていることでさえ、膨大な数の大脳皮質神経細胞による働きが必要であり、目さえあれば世界が見えるわけではありません。サルやヒトの大脳皮質には、ものを見ることに関わるたくさんの領野があり、そのそれぞれで、何千万という数の神経細胞が働いています。これらの神経細胞の機能、神経回路とその動作、発達過程がどう私たちの心のできごとを支えているかは明らかではありません。
私たちの研究室では、霊長類の大脳皮質のつくり(構造)、しくみ(機構)、なりたち(発達)を、神経細胞のふるまい(生理反応)、かたち(形態)、ならび方(機能構築)、つながり(神経回路)という4つの視点からの解明を目指しています。脳は細胞からなる生物学的実体であるとともに、心や行動を支える情報処理機械としてとらえるべき側面も持っています。脳を作る分子や細胞の研究だけでも、神経情報のあり方の研究だけでも、脳の本当の理解には到達しません。「つくり、しくみ、なりたち、はたらき」の4つの解明を通して、脳が心を生み出す秘密に迫りたいと思います。
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畑中岳らの研究が神経回路学会において最優秀研究賞を受賞しました
2017年03月に畑中岳君が行ったニューロコンピューティング研究会における発表が日本神経回路学会 最優秀研究賞に選出され、第28回全国大会(JNNS 2018) 於OISTで表彰されました。 畑中岳、池添貢司、竹内遼介、稲垣未来男、西本伸志、藤田一郎(2017) 自然動画に含まれる画像特徴量に対するサルV1野およびV4野の神経細胞群の応答 ニューロコンピューティング研究会(東京):2017.03. […]
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畑中岳君が第14回Asia Pacific Conference on VisionにおいてBest Student Conference Posterを受賞しました
2018年07月13-16日に、中国杭州市で開催された第14回Asia Pacific Conference on Visionにおいて、本研究室から参加したD3(博士課程1年目)の畑中岳君(左から3人目)がBest Student Conference Poster賞を受賞しました。 Hatanaka G, Ikezoe K, Takeuchi RF, Inagaki M, Nishimoto […]
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畑中岳君(修士2年)の学会発表がIEEE Computational Intelligence Society Japan Chapter の若手賞を受賞
昨年、畑中岳君が行ったニューロコンピューティング研究会における発表がIEEE Computational Intelligence Society Japan Chapter (IEEE CISJ)のYoung Researcher Award (YRA)を受賞しました。この賞はComputational Intelligence に関わる幅広い領域で、若手の研究を振興することを目的としています。 […]
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一次視覚野の機能構築の新たな一面を解明した論文を発表しました
2光子顕微鏡カルシウムイメージングと符号化モデル解析手法を組み合わせて、一次視覚野の機能構築の新たな一面を解明した論文がオンライン公表されました。Ikezoe K, Amano M, Nishimoto S, Fujita I (2018) Mapping stimulus feature selectivity in macaque V1 by two-photon Ca2+ imaging: […]
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両眼立体視の脳メカニズムを解明する上で、輝度反転ランダムドットステレオグラムを見たときに生じる逆転奥行き知覚(交差視差刺激が遠くに見え、非交差視差刺激が近くに見える)は重要な現象です。この研究では、この現象において逆転しているものがターゲット面と参照面の間の相対視差であって、ターゲット面の絶対視差ではないことを示しました。脳の中に、両眼相関計算とともに相対視差計算を行なっている場所があることを示し […]
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第一回ヒト脳イメージング研究会で、大学院生の大石君と藤田さんの二人が、研究奨励賞6件の内の2つに選ばれました。おめでとう! 大石浩輝, 竹村浩昌, 青木俊太郎, 藤田一郎, 天野薫:「ヒト立体視力とVertical Occipital Fasciculusの組織構造の関連」 藤田瑞希, 青木俊太郎, 番浩志, 天野薫, 藤田一郎:「タスク依存的な脳活動を用いた、両眼立体視における背側・腹側経路の機 […]
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5月28日(日)11:30〜12:00に、BSフジ「ガリレオX」第149回「脳に宿る意識の謎 正体不明の”私”への手がかり」において、私たちの研究について語ります。(おそらく、出番は5分くらい)
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「自由視中のスキャンモードの時間的変化」に関する論文が出ました
科学技術振興機構と大阪大学の支援を受けて行っていたドイツ、チリの研究チームとの国際共同研究の成果が論文となりました。論文はこちらから。https://www.nature.com/articles/s41598-017-01076-w Ito J, Yamane Y, Suzuki M, Maldonado P, Fujita I, Tamura H, Grün S (2017) Switch f […]
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水平軸索の生後発達の論文がCerebral Cortex誌の表紙に
◆以前、この欄にて紹介した下記の論文へのアクセスはこちらからどうぞ。左の写真は、Cerebral Cortex誌2017年4月号の表紙となりました。左の写真をクリックしてみてください。 https://academic.oup.com/cercor/article-abstract/doi/10.1093/cercor/bhw105/3056406/Postnatal-Development-of […]
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霊長類大脳皮質の5層錐体細胞の生後発達過程を調べた論文が出ました
◆ 紹介記事準備中 論文はこちらからご覧になれます。 http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fnins.2017.00118/abstract Tomofumi Oga, Guy N. Elston, Ichiro Fujita. (2017) Postnatal dendritic growth and spinogenesis of […]
お知らせ
- 2018年10月28日 畑中岳らの研究が神経回路学会において最優秀研究賞を受賞しました
- 2018年7月17日 畑中岳君が第14回Asia Pacific Conference on VisionにおいてBest Student Conference Posterを受賞しました
- 2018年3月14日 バイオロジカルモーションの神経機構を探った論文がオンライン
- 2018年3月14日 畑中岳君(修士2年)の学会発表がIEEE Computational Intelligence Society Japan Chapter の若手賞を受賞
- 2018年1月18日 一次視覚野の機能構築の新たな一面を解明した論文を発表しました