生物学、脳研究、脳と心、意識、認知脳科学、神経科学、行動学、視覚、錯覚、脳の発達、脳の迷信、神経神話 [English]
大阪大学大学院 生命機能研究科 認知脳科学研究室-生命機能研究科生命機能専攻 認知脳科学研究室、大阪大学基礎工学部 システム科学科生物工学コースLaboratory for Cognitive Neuroscience

認知脳科学研究室(藤田研究室)へようこそ!

私たちは、脳のさまざまな認知機能の中でも、視覚に注目して、知覚の形成の脳内メカニズムを追求しています。とくに、両眼立体視(3Dビジョン)の脳内メカニズムの解明に力を注いでいます。生命機能研究科は他所にはないユニークな教育・研究・運営形態をとり、活発な研究グループの集まった大学院です。脳研究を行っている多くの研究室があり、脳や神経の秘密の探究を行いたい若者にとって、すばらしい勉学・研究環境です。

教授 藤田一郎
〒565-0871 吹田市山田丘1-4
大阪大学大学院生命機能研究科
脳情報通信融合研究センター 2B1-2
認知脳科学研究室
E-mail: fujitafbs.osaka-u.ac.jp
ご連絡は電子メールにてお願いいたします
研究室へのアクセス
教授エッセイ
= 摩天楼の謎の小部屋 =
重たげな長いまつげ。毛玉のついた角。モグモグ動く鼻の下。長い首、長い足。キリンは魅力あふれる動物だ。その姿は、子供たちを含め多くの人を惹きつける。きっと誰もが、...
(2012/01/01) エッセイ一覧

お知らせ

向こうから歩いてくる人を見ているとき、その人の像は網膜の上でだんだん大きくなっている。にもかかわらず、その人が大きくなっていくようには感じない。この現象は大きさ恒常性と呼ばれる。ものの大きさを知覚するときに、私たちの脳が物体の網膜像の大きさに加えて距離も考慮に入れていることをこの現象は意味している。

たとえば、左図は何の変哲もない状景だが、白線の上にたっている人物の像をコピーして奥に貼り付けると(中央図)、この人物は巨人のように見える。一方、手前に貼り付けると(右図)、この人物は小人のように見える。これは、この写真に含まれる線遠近やきめの勾配、陰影といった手がかりを使って私たちの脳が距離を推定し、その情報を加味して大きさを知覚しているからだ。物体までの距離が変わった時に起きるはずの網膜像の大きさ変化を無視して画像を作ったため、大きさ恒常性が起きず、異常な大きさに感じるのである。

像の大きさと距離の両方が大きさの知覚を決めていることは、2000年も前にプトレマイオスも気づいていた。だけど、網膜像の大きさ情報と距離情報が脳の中のどこで、どのように相互に作用するのかはずっと不明のままだった。大学院生だった田中慎吾君(現、玉川大学)と一緒に行った研究で、V4野と呼ばれる視覚野の神経細胞が、この知覚現象を説明する特性を持つことを示した。今日、Journal of Neuroscience誌のオンラインに載った。10年来の仕事なので、率直に言って、うれしいというよりほっとした。(編集者のコメント欄This week in the Journalの対象論文になっている。こちら)(大学からの広報はこちら

Tanaka S, Fujita I (2015) Computation of object size in visual cortical area V4 as a neural basis for size constancy. J Neurosci, 35: 12033-12046.

やっぱり嬉しいのかな。ここで皆さんに紹介したいと思うくらいなんだから。

(2015/08/27)
◆ 「脳がつくる3D世界」の刊行に合わせた講演会が開かれます。

講演: 藤田一郎「3D世界を見せる脳のからくり〜立体視のなぞとしくみ」
日時: 2015年4月25日(土曜日) 開場14:30、開演15:00
場所: MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店 7階イベントスペース
参加費:無料
定員: 30名(定員になり次第、〆切)(電話予約または1階レジにて)
問い合わせ: 電話 06-6292-7383

詳細: こちら
(2015/03/27)
◆ 今日は、大学全体の卒業式、各大学院の学位授与式、各学部の学位授与式が連続して行われた。私は生命機能研究科と基礎工学部生物工学コースの学位授与式に出席。吹田キャンパスと豊中キャンパスを行き来した。「やるべきことをやった」学生は、ほんの一年前、いやそれどころか3ヶ月前に比べても、一皮も二皮も向けた。彼らは自信を得た。私も自信を持って送り出せる。前途における幸運を心から祈る。時々は帰って来い。
(2015/03/25)
◆ 【ドレスの色が人によって違って見えるのはなぜか】
昨日、ランチの直後に、某TV局より電話。「前日からインターネット上で世界的に騒ぎとなっているのだが、同じドレスが白ー金の縞に見える人と青ー黒の縞に見える人がいるのはどういうことなのか」という問い合わせである。メール添付で送られてきた写真(ここを参照)を見ると、私にはどう見ても白と金。白が少し青みがかっているとは思うが金の縞が黒に見えるとは信じがたい。秘書にも見てもらうが彼女も白ー金に見えるという。モニターの角度のせいではと思い、調節したところ、見えが少し変わる。論争の原因はモニターに理由があるんではないかと一瞬思ったが、念のためプリントアウトしたものを学生室に持っていってみると、言下に「青—黒に見える」と言った学生がいた。「え〜、ほんとう?」と驚いているところに、再びTV局から電話。5時の番組で扱いたいのでコメントをすぐもらいたいとのこと。自分で青ー黒に見えるという確認ができない段階なので、他の方に当たってくれるように返事した。

物体から網膜に入ってくる「光の強さと波長」(z)は、その物体の表面の反射特性(x)とその物体へ注がれている光(y)によって決まる。xがいわゆる「物体の色(色相も明るさも含んだ意味で)」で、式に書くとz=x・yだ。脳は網膜からzの情報だけもらうことになる。つまり利用可能な情報はzだけなのに、脳はxとyの二つを決めないといけない。4=x・yという式が与えられたら、4=1x4かも知れないし、4=2x2かも知れないし、4=4x1かも知れないので、xとyを一義的に決めることは難しい。通常、物体に注がれている光(y)の推定は視野全体の状景から得ることができ、そのyの推定に基づいてxを決定し、私たちは個々の物体の色を感じることになる。

くだんのドレスの写真は、手がかりとなる周りの状景がトリミングされているため、脳は、yを画像から推定できず決め打ちし(勝手に解釈し)、それに基づいてドレスの色(x)を決定した。yの値が変わるとxの値が変わり異なった色を知覚することになる。yが大きい(ドレスに光がたくさんあたっている)と脳が判断した人はxが小さくなり(ドレスは光を反射しない暗い色ー>青と黒)、yが小さい(ドレスに光があまりあたっていない)と推定した人は、xが大きくなった(ドレスは光を反射する明るい色ー>白と金)。この解釈を支持するのが、grapeというサイトにある素晴らしい写真である(ここ)。ドレスを光のあたっていない女性(左)とあたっている女性(右)にはりつけると、知覚される色が上に書いたとおりに変化する。

色というのは物体の性質ではなく脳が作り出すものである。日常の感覚から言うと妙に聞こえるかも知れないが、同じ画像を見て、異なった色を感じることからも明らかである。このこと自体は、ずっと昔から科学や哲学の世界では言われていることだ。このドレスの写真が、私たち視覚研究者をも驚かせたのは、yの推定が個々人によって非常に違うということを示唆している点である。今後、きっと、厳密な実験がなされるだろう。おそらく、訓練によってyを変更させることで色の見え方が変わることも示されるだろうと思う。ドレス錯視とか呼ばれるようになるのかな。 (2015/03/01)
◆ 「脳がつくる3D世界〜立体視のなぞとしくみ」(化学同人)が出版された。立体視の心理学と神経生理学、立体映像技術の原理を解説した。専門的なところもあるが、一般読者を想定して、ごく基本的なことから書いてある。加えて、私の関心を反映して、フクロウチョウ、コミスジ、アダンソンハエトリ、カマキリ、カメレオンなどの生き物の話、ジュリアン・ビーバー、葛飾北斎、マザッチョ、レオナルド・ダビンチ、南蛮屛風、江南信国、山口誓子などのアート関連話、フランシス・クリックのいらだち、イブ・マーダーのクリスマスディナー、二唐東朔の雄弁、ホレス・バーローの誘惑等の研究小史を盛り込んである。
(2015/02/19)
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